手術の説明や記録不十分 京都市が病院に改善求める行政指導

京都市にある病院の脳神経外科で、手術の説明や記録が適切に行われなかったり、安全管理についての検証が不十分だったりしたケースが3件あったことが、京都市の調査でわかり、市は病院に対し改善を求める行政指導を行いました。

行政指導を受けたのは、京都市東山区にある京都第一赤十字病院です。

関係者によりますと、去年10月、病院の脳神経外科で行われた複数の手術や治療について、安全管理の不備などを指摘する情報が寄せられたことから、京都市は3回にわたって立ち入り検査を行いました。

その結果、
▽4年前、脳腫瘍の手術を受けた患者が、その後、予定外の再手術となった理由について、患者や家族に説明した記録が見つからなかったほか
▽3年前、救急搬送されて脳の検査や処置を受けたあと、死亡した患者についても、詳しい経過を説明した記録が確認できないなど、
説明や記録が適切に行われなかったケースが3件あったと指摘しました。

このうち2つは、手術などが安全に行われたか調査する、病院の医療安全管理委員会に報告する必要があったものの適切に報告されず、事後の検証も十分行われていなかったとしています。

このため、京都市は17日に、病院に対し改善を求める行政指導を行いました。

市は、このほか手術や治療を受けたあと、患者が死亡するなどした12件についても検証の必要があるとして、2か月後までに報告するよう病院に求めています。

病院は、NHKの取材に対し、「病院運営に関する指導は真摯(しんし)に受け止め適切に対応していきたい」とコメントしています。