ビッグモーター不正請求 損保ジャパンの最終報告書 内容判明

ビッグモーターによる保険金の不正請求問題で、損害保険ジャパンの対応について調査委員会がまとめた最終報告書の内容が明らかになりました。コンプライアンス体制が機能不全を起こしていたことが要因だったとした上で、親会社についても主体的・指導的姿勢が乏しく、リスクへの感度が低かったなどと厳しく指摘しています。

この問題では、おととし(2022年)7月に損害保険ジャパンの経営陣がビッグモーターに不正の可能性があることを認識していながら、追加調査をせずにいったん中止していた取り引きを再開したことなどが明らかになっています。

こうした対応について、外部の弁護士による調査委員会がまとめた最終報告書では、役員らのリスク認識が決定的に乏しかったとした上で、コンプライアンス体制が機能不全を起こしていたことが最大の制度的要因だったとしています。

また、問題が発生した場合でも親会社のSOMPOホールディングスをあてにすることなく自己完結的に解決を図ろうという志向が強かったとしました。

さらに、SOMPOホールディングスについても、特段の追及や主体的な情報収集も行わず、受け身の姿勢に終始しており、主体的・指導的姿勢が乏しく、リスクへの感度が低かったと指摘しています。

最終報告書は16日公表される見通しです。

この問題で、金融庁は、損害保険ジャパンとSOMPOホールディングスに対し、月内にも保険業法に基づいて業務改善命令を出す方向で調整していて、経営責任を含めた対応が焦点となります。