ハマス“イスラエル軍の攻撃で人質2人死亡”映像公開 軍は反論

イスラム組織ハマスは、イスラエル軍による攻撃で人質2人が死亡したとする内容の映像を公開し、ネタニヤフ政権に揺さぶりをかけるねらいがあるとみられます。これに対しイスラエル軍は、ハマス側がうその情報を流していると反論し、人質をめぐる対応が焦点となっています。

イスラエルは、ハマスの壊滅と人質の解放を掲げてガザ地区への侵攻を続けていて、ガザ地区の保健当局は15日、過去24時間で132人が死亡し、犠牲者の数は2万4100人に上ったと発表しました。

こうした中、ハマスの軍事部門カッサム旅団は15日、人質だとする女性の映像をSNSに公開しました。

女性は、イスラエル軍による攻撃で同じ場所にいた人質の男性2人が死亡したとした上で、みずからもけがをしていると述べ「この狂気を止めて、生きている間に家族のもとに帰してほしい」と訴えています。

ハマスとしては、新たな映像を公開することでネタニヤフ政権に揺さぶりをかけるねらいがあるとみられます。

これに対し、イスラエル軍のハガリ報道官は15日「人質が拘束されていた建物は標的ではなかった」と述べ、ハマス側がうその情報を流していると反論しました。

イスラエル国内では、人質の一刻も早い解放を求める国民の声が高まっていて、ガラント国防相は15日の会見で「軍事的な圧力をかけるのをやめれば、ハマスがわれわれと交渉する動機がなくなり、人質がガザ地区にとどまってしまうことになる」として、作戦継続の必要性を重ねて主張しました。

複数の地元メディアによりますと、戦闘を一時停止してでも人質の解放を優先すべきかどうかをめぐって、イスラエルの戦時内閣の中で意見の違いが生じているということで、人質をめぐる対応が焦点となっています。