北朝鮮 キム総書記 憲法改正を指示“韓国を第1の敵対国”

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、最高人民会議で行った演説で、韓国を「第1の敵対国」とみなすよう、憲法の改正を指示しました。また、会議では韓国との窓口機関の廃止も決定し、韓国を統一の対象ではないとする政策を実行していく姿勢を鮮明にしました。

16日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、各地の代表を首都ピョンヤンに集めた最高人民会議が15日開催され、キム・ジョンウン総書記が演説したと伝えました。

このなかでキム総書記は、韓国について、北朝鮮の「政権崩壊」などをたくらみ統一の対象ではないと指摘した上で「大韓民国を第1の敵対国、不変の主な敵」とみなすため、教育事業の強化を憲法に明記すべきだと指示しました。

また、朝鮮半島での戦争を想定して、戦時には韓国を完全に占領し、北朝鮮の領域として編入することも憲法に反映させるよう、求めました。

さらに、最高人民会議では
▽韓国との窓口機関である祖国平和統一委員会や
▽民族経済協力局
▽それに、北朝鮮の景勝地で韓国との観光事業を担ってきたクムガン(金剛)山国際観光局を廃止すると決定しました。

キム総書記は先月末の演説で、韓国との関係を統一の対象ではなく、敵対的かつ戦争中にある国家間の関係へと転換するとしていて、この政策を実行していく姿勢を強調した形です。