孤立状態 少なくとも1910人 「高齢の両親 健康面が不安」石川

石川県によりますと、12日午後2時の時点で、輪島市、珠洲市、能登町の少なくとも17地区の1900人余りが、道路が通れなくなるなどして依然、孤立状態になっているということです。

孤立状態になっている地区です。

▽輪島市
▼大屋地区の27人、▼河原田地区の21人、▼鵠巣地区の461人、▼町野地区の3人、▼南志見地区の78人、▼西保地区の631人、▼仁岸地区の4人、▼諸岡地区の37人、▼浦上地区の1人、▼七浦地区の353人など。

▽珠洲市
▼真浦町の3人、▼清水町の8人、▼片岩町の35人、▼長橋町の45人、▼大谷町の190人。

▽能登町
▼水滝地区の5人、▼柳田信部地区の8人。

孤立状態になっているのは県内で少なくとも17地区、1910人にのぼります。

このほか、孤立状態は解消されたものの、道路の状態などが不安定だとして引き続き支援が必要な「要支援集落」が多くあるということです。

5人が孤立状態 能登町 水滝地区

被災前の画像です

石川県の発表で孤立した状態となっている地域の一つ、石川県能登町の水滝地区に住む水滝勝弘さん(55)がNHKの電話取材に応じ、「ずっと家にいるので高齢の両親の健康面が心配だ」と訴えています。

被災したあとも、水滝さんは80代の両親と3人で自宅で生活していますが、水滝地区は市街地などと通じる道路が土砂崩れで寸断されていて、水滝さんの世帯を含めた2世帯5人が現在も孤立しています。

被災前後の比較

国土地理院が今月5日に能登町の様子を上空から撮影した画像です。

道路を700メートルほど北方向に行くと水滝地区、南方向は市街地につながりますが、被災後の画像を見ると、崩れた土砂や倒れた木が道路を覆っている様子が確認できます。

「高齢の両親 健康面が不安」

水滝さんによりますと、2世帯とも1週間ほど前に電気が復旧し、水道は井戸水でまかなえていますが、ガスは備え付けのボンベの備蓄が少なくなってきているということです。

水滝さんは食品などの生活物資を調達するため、ふだんは車で10分の市街地まで、土砂崩れによって道路に流れ込んだ土砂や倒木を乗り越えて歩いておよそ2時間かけて買い出しに行っているということです。

水滝さんは「今のところ両親は元気ですが、ずっと家の中にいる状態で、かかりつけの珠洲市の総合病院には車が動かせないと行ける距離ではないので、このまま孤立が続くと両親の健康面がどうなるか不安です。まずは道路を開通してもらうことが一番ですが、去年は大雪の影響で停電したので、これからの雪が多く降るとまた停電してしまうのではないかと心配です」と話していました。

35人が孤立状態 珠洲市 片岩町

被災前の画像です

石川県の発表で、孤立した状態となっている地域の一つ、珠洲市片岩町の区長によりますと、この地区では自衛隊によって支援物資が届くようになりましたが、現在も携帯電話の電波が入らず、水道や電気もない状況の中での生活が続いているということです。

区長によりますと、被災後、避難所では生活が難しい高齢者などを中心に20人余りが基本的に自宅での生活を続けているということです。

自衛隊によって食料や油、それにガスコンロといった支援物資が届くようになりました。

一方で、携帯電話の電波はつながりにくく、区長も電波がかろうじて届く場所に移動して電話をしているということです。

「使える部屋でなんとか生活」

区長は「ガスは被災前から残っていたプロパンガスや支援物資のガスコンロを利用しています。乾電池が不足していますが、依頼したものは自衛隊がほとんど持ってきてくれるので大変感謝しています。地域は、道や地面が隆起したり割れたりしていて、傾いた住宅や半壊した納屋もあります。地域にとどまっている人たちは、住宅のガラスが割れ、家具が倒れる中でも、使える部屋を見つけてなんとか生活している状況です」と話していました。

珠洲市長橋町 塩田近くの海が陸地に 漁港の海底隆起も

石川県の発表で孤立した状態となっている地域の一つ、珠洲市長橋町の海岸沿いで撮影された写真をNHKが入手しました。

今月7日、海岸沿いで塩を作る会社の社員が塩田を写したもので、塩田のすぐ近くだった海が、陸地になっています。

この会社では、手作業で海水をくみ上げて細かい砂を敷き詰めた塩田にまき、乾燥させる「揚げ浜式」という伝統的な手法で塩を作っていましたが、作業再開のめどはたっていないということです。

また、塩田から200メートルほど離れた長橋漁港の様子も撮影していて、海底が隆起したために漁港内に海水が入らない状況だということです。

塩を作る会社によりますと、事業所で働く従業員およそ10人は無事で、大谷小中学校に避難しているということですが、親戚が亡くなったり、自宅が倒壊したりした人もいるということです。

社員から写真を受け取った加賀市にある会社「Ante」の中巳出理社長は「従業員を含めて多くの住民が孤立していて体調など非常に心配です。今も余震が続いているため、まずはいち早く地区の外に一時的に避難して安心して生活できるようになってほしいです」と話していました。