イスラエル軍が攻撃継続 国際司法裁判所の審理の行方は

イスラエル軍は11日もガザ地区の中部や南部でイスラム組織ハマスの戦闘員を殺害するなど攻撃を続け、住民の犠牲者も増え続けています。
こうした中、国際司法裁判所ではイスラエル軍による軍事作戦の停止などを求めた訴訟の審理が始まり、その行方が注目されています。

ガザ地区への空爆と地上作戦を続けるイスラエル軍は11日、中部マガジでハマスの戦闘員11人を殺害したほか、南部ハンユニスでも爆発物を仕掛けていた戦闘員など7人を殺害したと発表しました。

一方、ガザ地区の保健当局は11日、イスラエル軍の攻撃によって過去24時間で112人が死亡し、これまでの死者は2万3469人になったと発表しました。

こうした中、南アフリカがイスラエル軍の攻撃がパレスチナ人に対するジェノサイド、集団殺害にあたるとして国際司法裁判所に提訴していた訴訟の審理が11日、オランダのハーグで始まりました。

南アフリカ側の代理人は「イスラエルが国際的な義務を無視する状況に手を打たなければ、さらなるジェノサイドのリスクにさらされているパレスチナの人々にとって非常に深刻な事態となる」と述べて、暫定的な措置として軍事作戦の即時停止などをイスラエルに命令するよう裁判所に強く求めました。

審理についてイスラエルのネタニヤフ首相は公開した動画で「ホロコースト以来、ユダヤ人に対して最も恐ろしい犯罪を行ったテロ組織を擁護する者たちの、なんという厚かましさか。南アフリカの偽善はここに極まった」と述べ、痛烈に非難しました。

一方、ハマスは「南アフリカが示した証拠は、イスラエルがガザ地区で市民に対しジェノサイドという罪を犯したことを世界に証明した」とSNSに投稿しました。

審理は12日も行われ、イスラエル側がみずからの正当性を主張するものとみられます。

一部のメディアは早ければ数週間で暫定的な措置の判断が示される見通しだと伝えています。

イスラエル軍は11日、イスラム組織ハマスが人質を拘束していたとするトンネルの映像を公開しました。

場所はガザ地区の南部ハンユニスの地下だということで、映像では金属製のはしごと長い階段を下りた先に、配管やケーブルの束が集められた部屋のような空間が写っていて、イスラエル軍は電力の供給や換気のための装置だとしています。

また、壁にタイルが貼られた空間には水洗トイレも設けられています。

イスラエル軍は調査の結果、このトンネル内にかつて複数の人質が拘束されていたことが確認できたとしています。