福島第一原発「核燃料デブリ」試験的取り出しへ堆積物除去開始

福島第一原子力発電所で初めてとなる「核燃料デブリ」の試験的な取り出しに向けて、東京電力は2号機の格納容器内部にロボットアームを入れるための配管をふさいでいる堆積物を取り除く作業を10日から始めました。

溶け落ちた核燃料と構造物が混じり合った「核燃料デブリ」の取り出しは福島第一原発の廃炉で最大の難関とされ、国と東京電力は初めてとなる数グラム程度の試験的な取り出しをことし3月までに2号機で始める計画です。

作業はロボットアームを使って遠隔で行われますが、格納容器の内部につながる配管が堆積物でふさがれていて、除去が必要になっています。

東京電力は10日午前11時すぎから堆積物を取り除く作業を始め、初日は、配管の入り口付近にある一部の堆積物を棒状の器具で突き崩すことができたということです。

崩した堆積物は水を噴射し、配管の奥に押し流して取り除くということです。

ただ、残りの堆積物がどの程度固まっているかは確認できていないため、今後の作業が順調に進むかは予断を許さない状況です。

東京電力は堆積物が除去できない場合、ロボットアームとは別の装置を使う代替案も検討していますが、その場合は、3月までに開始する計画は見直しを迫られる見通しです。

東京電力は堆積物の除去を慎重に進めながら、早ければ今月中にも取り出しに使う装置と工程について精査して判断したいとしています。