イスラエルとハマス戦闘3か月 犠牲者増加に歯止めかからず

イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから7日で3か月となります。ガザ地区では6日も南部を含む各地でイスラエル軍による攻撃が行われ、いまも犠牲者の増加に歯止めがかからない状況が続いていて、人道危機が深刻化しています。

去年10月に始まったイスラエル軍とイスラム組織ハマスによる戦闘は、7日で3か月となります。

イスラエル軍は6日も、南部ハンユニスでハマスの戦闘員を排除し、武器庫などを破壊したと発表した一方で、ハマスもハンユニス近郊で爆発物でイスラエル兵を攻撃したと発表していて、激しい戦闘が行われています。

ガザ地区の保健当局は6日、過去24時間にイスラエル軍の攻撃で122人が死亡し、これまでの死者は2万2722人に上ると発表し、ガザ地区では3か月がたったいまも犠牲者の増加に歯止めがかからない状況が続いています。

UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、イスラエル軍の攻撃によって人口およそ220万人とされるガザ地区全体の8割を超える190万人が家を追われ、厳しい状況での避難生活を余儀なくされているとしています。

一方、イスラエルの隣国レバノン南部に拠点を置く、イスラム教シーア派組織ヒズボラも6日、イスラエル北部に対して60発以上のロケット弾での攻撃を行い、イスラエル軍が応戦しています。

一連の衝突が始まってから3か月がたちますが、イスラエル軍がガザ地区への攻撃を強めていることに加えて隣国レバノンへの攻撃も続けていることで地域での緊張が高まる一方で、事態打開の兆しは見えないままです。

イスラエル 市民が人質解放訴え

イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから3か月となるのを前に、イスラエルのテルアビブでは多くの市民が集まって人質の解放を訴えました。

6日、イスラエルのテルアビブ中心部には大勢の市民が集まって、政府に対して人質の解放を実現するよう訴えました。会場では集まった家族や支援者の代表が人質の解放を訴えるスピーチを行うと、参加者たちは「いますぐに解放を」と一斉に声をあげていました。

イスラエル軍はいまだに130人あまりが人質になっているとしていますが、カタールなどを仲介役としたイスラエルとハマスの間の交渉は行き詰まったままです。

兄が人質になっているヌファル・ブクシュタブさんは「この3か月は本当につらいです。いまも大勢の人質がとられていることを世界の人には忘れてほしくないです」と話していました。

また、弟が人質になっているマイケル・レビさんは「いまだに弟が人質にとられた10月7日を生きているようです。政府もわれわれも人質の解放のためにもっとできることをしなければいけない」と訴えていました。

イスラエルのシンクタンクが今月2日に公表した世論調査の結果では、イスラエル人のおよそ56%が人質解放の最善の方法は軍事作戦の継続だと答えるなど強硬な世論が根強く、会場にいた男性のひとりも「われわれはハマスにさらに圧力をかけて人質の解放を実現しなくてはいけない」と話していました。