イラン国営テレビによりますと、南東部ケルマン州の墓地の近くで3日、2回の爆発がありました。
この墓地には、4年前の2020年1月3日にアメリカ軍に殺害された軍事精鋭部隊「革命防衛隊」のソレイマニ司令官の墓があり、当時、司令官を追悼する式典に参加するため多くの市民が集まっていました。
国営テレビは当初、爆発で死亡した人の数について103人と伝えていましたが、イランの保健相は「二重に数えられていた人がいた」として95人に訂正しました。
ライシ大統領は声明を出し「イランと敵対するテロリストによる非人道的な犯罪だ」と強く非難した上で「この卑劣な行為を行った者はすぐに特定され、罰せられるだろう」と強調しました。
これまでのところ、爆発の詳しい原因や背景などはわかっていません。
イラン 4年前殺害された司令官の追悼式典で爆発 95人死亡
イランで、4年前に殺害された司令官の追悼式典が行われていたさなか、近くで爆発があり、イラン政府は、これまでに95人が死亡したと発表しました。ライシ大統領は「テロリストによる非人道的な犯罪だ」と強く非難しています。
ソレイマニ司令官は革命防衛隊の中でも国外での特殊任務にあたる「コッズ部隊」を率い、隣国イラクで過激派組織IS=イスラミックステートとの戦いを指揮するなどしていました。
米「イスラエルの関与示すものない」
アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は3日、記者会見で「どのように起きたのか、誰が犯人なのか、詳しいことはわからない」と述べました。
そのうえで記者団から、イランと敵対するイスラエルの関与について問われたのに対し「現時点でイスラエルの関与を示すものは何もない」と述べました。
また別のバイデン政権の高官は記者団に対し「手口からはテロ攻撃のように見え、IS=イスラミックステートが過去にやっていたようなタイプのものだ」と指摘しました。