【全編動画】地震 首相会見「物資輸送など支援 プッシュ型で」

今回の地震を受けて、岸田総理大臣は、非常に大規模な被害が報告されているとした上で引き続き救命救助活動を急ぐとともに、現地に関係省庁の幹部も派遣し、物資の輸送などの支援をプッシュ型で進めていく考えを示しました。

岸田総理大臣は、今回の地震を受けて、2日午前10時すぎから総理大臣官邸で記者会見を行いました。

この中で岸田総理大臣は、現地では人的被害や建物崩壊など非常に大規模な被害が確認されていると報告を受けたとした上で「自衛隊や警察、消防の緊急援助部隊などは、昨夜のうちにあらゆる手段を用いて現地に部隊を進め、順次、救命救助などの活動を開始している」と述べました。

そして「自衛隊や海上保安庁、消防・警察などを広域に動員し、徹底して連携させる。プッシュ型支援により、現地を支援するため、関係省庁の幹部の現地派遣を強力に行う。夜も明け、海上ルートも活用できるので、より本格的に現地への支援を行っていきたい」と述べました。

また「揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害の危険性が高まっている。引き続き活発な地震活動も予想されるので、住民の方は危険な場所に立ち入らないなど安全第一での行動をお願いしたい」と呼びかけました。

さらにSNS上で被害などに関する偽情報が確認されていることをめぐり「悪質な虚偽情報の流布は、決して許されるものではない。こうした行為は厳に慎んでほしい」と述べました。

一方、4日予定していた年頭にあわせた三重県伊勢市の伊勢神宮への参拝は延期し、総理大臣官邸で記者会見を行うことを明らかにしました。

<岸田首相 会見>

岸田首相「プッシュ型支援により現地を支援」

岸田総理大臣は記者会見で「昨晩私が本部長となる非常災害対策本部を設置し、先ほど対策本部会議を開催した。平成28年の熊本地震の時と同様の取り組みだ」と述べました。

その上で「私が本部長を務め、自衛隊や海上保安庁、消防・警察などを広域に動員し、徹底して連携させる。プッシュ型支援により、現地を支援するため、関係省庁の幹部の現地派遣を強力に行う。現地の首長と直通のオンラインでのコミュニケーションを開設し、迅速な情報収集や支援の展開に役立てる。公共インフラ事業者に明確な指示を出すことなどを行っていく」と述べました。

「非常に大規模な被害を確認」との報告を受ける

「まず必要なことは現地情勢の把握だ。昨夜から全力をあげて情報収集に努めているが、道路寸断のため能登半島北部地域への立ち入りが極めて困難な状況にある」と述べました。

そして、「午前9時過ぎ、現地に派遣した古賀副大臣と直接電話で話をした。『上空からヘリで視察した結果、道路の寸断、土砂崩れ、火災などの被害が広範囲で確認された』との報告だった。また、地元自治体、警察、消防、自衛隊などからの情報を災害対策本部がとりまとめたところ『これまでに多数の人的被害や建物崩壊、火災など、非常に大規模な被害が確認されている』という報告だった」と述べました。

「今後1週間程度は最大震度7程度の地震に注意」

岸田総理大臣は記者会見で「揺れの強かった地域では、家屋の倒壊や土砂災害の危険性が高まっている。引き続き活発な地震活動も予想されるので、住民の方は危険な場所に立ち入らないなど安全第一での行動をお願いしたい。また今後1週間程度は、最大震度7程度の地震に注意してほしい」と呼びかけました。

「関係省庁幹部を本日中に現地に派遣するよう指示」

「家屋やビルの倒壊には、自衛隊や国土交通省のテックフォースなどの関係者が大型重機の搬入ルート確保に不眠不休で取り組んでいる。寸断された道路の啓開、すなわち最低限の修整で道を開くことに全力で取り組むとともに、海路輸送ルート確立のため港湾の安全確認などを行っているところだ。午前10時に津波警報が解除されたので、今後、本格的に海路を通じた輸送の確保に努めていく」と述べました。

その上で「現在、発生している停電や断水、通信の途絶についても、現地に作業員が入り、復旧を進めているところだ。プッシュ型物資輸送は、コンビニ、スーパー、寝具関係者、家電量販店を含め16団体に協力をお願いしている。水、エネルギー、食糧、毛布、簡易トイレをはじめ、きめ細かく被災者ニーズも把握して物資供給を行っていく。このため、関係省庁幹部を本日中に現地に派遣するよう指示した」と述べました。

「人的被害 午前7時時点で死者4人」

「人的被害については午前7時の時点で死者4人、災害との関連を調査中の死者2人、重傷者3人、軽傷者27人との報告を受けている」と述べました。

「石川県知事とは発災直後からたびたび電話でやり取り」

「石川県の馳知事とはきのうの発災直後からたびたび電話でやり取りを行っている。けさも6時半すぎに電話で連絡を取り合った。午前9時の非常災害対策本部開催直前にも電話で連絡を取り合った。その時間はちょうど現地でも災害対策本部を開催する直前のタイミングだった」と説明しました。

その上で「今後とも連絡を緊密に取りながら、住民のニーズに対して的確に対応していくことを確認している」と述べました。

「自衛隊 現地に1000人が到着の報告」

「自衛隊は現在、現地に1000人の人員が到着しているという報告を受けている。現地の警察や消防、自衛隊、海上保安庁以外では、他の地域の警察から警察災害派遣隊634人、消防の緊急消防援助隊2039人が現地に到着しているとの報告を受けている」と述べました。

「陸上だけではなく空輸や海上輸送などを総動員」

「津波警報が解除されたので、海上の輸送ルートを確保できることになる。陸上だけではなく、空輸や海上輸送などを総動員して、現地に必要な物資、救助の人員を送り込むべく、昨夜から努力を続けている。夜も明け、海上ルートも活用できるので、より本格的に現地への支援を行っていきたい」と述べました。

「国としても現地の状況踏まえ全力で応援」

「重機の搬入などは、道路が寸断されているので困難を極めているが、できるだけルートを確保するべく道路の応急手当てや復旧を行っている。当然、海上輸送などを通じての輸送も考えられる」と述べました。

その上で「現地の状況をしっかり把握し、現実的にどういった対応が適切か判断し対応していく。国としても現地の状況をしっかり踏まえ全力で応援していく」と述べました。

現地視察「現地の状況を把握した上で適切に考える」

今後、現地を視察する予定があるか問われ「今後の私の予定などは、現地の状況を把握した上で適切に考えていかなければならない。そういったことも念頭に置きながら、状況把握に努めていく」と述べました。

岸田首相「先手先手の被災者支援を」非常災害対策本部で指示

今回の地震を受けて開かれた政府の「非常災害対策本部」で、岸田総理大臣は、被災者の救命救助を最優先に対応を急ぐとともに、物資の供給やインフラの復旧といった支援などに万全を期すよう関係する府省庁に指示しました。

石川県能登地方を震源とする地震を受けて、政府は2日午前、岸田総理大臣をトップとする「非常災害対策本部」を開きました。

この中で岸田総理大臣は「これまでに多数の人的被害、建物崩壊、火災など非常に大規模な被害が確認されている状況だ。お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げる」と述べました。

そして、政府として総力を挙げて、被害状況の把握と初動対応にあたっているとした上で「時間の経過とともに被害状況が徐々に明らかになってきている。被災者の救命救助は時間との勝負だ。特に建物の倒壊などによる被害者は一刻も早く救出する必要がある」と述べました。

その上で「昨夜のうちに自衛隊の航空機などあらゆる手段を用いて現地に部隊を進め、救命救助活動の準備を開始しているが、引き続き部隊を最大限動員し、住民の安全確保を最優先に救命救助活動に全力を尽くしてほしい」と述べました。

また「各省庁は被災自治体とも連携して、食料や毛布、燃料などの必要物資の確保や医療行為の提供、電力や水道などのインフラ復旧など、被災者の支援に万全を期してほしい。プッシュ型の支援も活用し、先手先手の被災者支援をお願いしたい」と述べました。

松本総務相 警察 自衛隊などと緊密に連携して被災者救出に全力

総務省は2日午前、「非常災害対策本部」を開きました。

この中で松本総務大臣は、石川県と富山県で、18都府県のおよそ2000人の緊急消防援助隊が活動しているとして、警察、自衛隊などと緊密に連携して被災者の救出に全力を挙げるよう指示しました。

さらに◇自治体と連携し早急に被害状況を把握すること、◇通信や放送、郵便の被害に対しては、関係事業者と連携して早急な復旧に努めること、◇被災した自治体からの要望に積極的に対応することなどを指示しました。

松本大臣は「被災地では、厳しい寒さに加え悪天候も予想されている。二次災害に十分注意し、1人でも多くの命を救うため、総務省の総力を挙げて取り組んでほしい」と述べました。

武見厚労相 プッシュ型支援実施へ職員の現地派遣を指示

政府の「非常災害対策本部」が開かれたあと、厚生労働省は幹部らが出席する「災害対策本部」を開きました。

この中で、武見厚生労働大臣は「主体的に先手先手の対応をし、被災者の救助に全力を挙げて取り組むとともに、一刻も早く国民生活が回復するよう全力を尽くしてほしい」と述べました。

そして医療機関や社会福祉施設、水道など所管する施設の被害状況の把握に全力であたるとともに、被災地へのプッシュ型支援を実施するため早急に職員を現地に派遣するよう指示しました。

坂本農相 食料支援 迅速かつ万全を期して進めるよう指示

今回の地震を受けて農林水産省は2日対策本部の会議を開き、坂本農林水産大臣が被災地への食料支援への対応を迅速に進めるよう指示しました。

農林水産省は2日午前10時ごろから「緊急自然災害対策本部」の会議を開き坂本農林水産大臣や幹部が出席しました。

この中で坂本大臣は、「農林水産関係の被害状況の迅速な把握に取り組むほか、地方自治体と連携して被災した農林水産関係施設などの応急対策と早期の復旧に向けた対策の実施に省をあげて取り組んでいく」と述べました。

その上で、「避難されている方々の衛生環境、生活環境の整備や生活必需品の確保が喫緊の課題となっている。特に避難された方々への食料支援について、関係省庁と緊密な連携をとって迅速かつ万全を期して進めてほしい」と述べ、被災地への食料支援への対応を迅速に進めるよう指示しました。

農林水産省は被災地に職員を派遣して被害状況の把握を進めています。

木原防衛相 人命救助を第一に関係省庁や自治体と緊密に連携

木原防衛大臣は、2日午前、防衛省で記者団に対し「石川県知事から災害派遣要請を受け、総理の指示により、昨夜から人命救助や生活支援などを行っていて、現在はおよそ1000人の隊員が活動中だ。また、自治体からの要望に対応できるよう陸海空自衛隊の隊員がおよそ1万人の態勢で待機している」と述べました。

そのうえで「陸上自衛隊中部方面総監をトップとする、陸海空自衛隊の指揮系統を一元化したJTF=統合任務部隊を編成することにした。スピード感を特に重視して、人命救助を第一に、関係省庁や自治体と緊密に連携して今後も全力で対応する」と述べました。

自民 対策本部の初会合

自民党は、2日午前、幹部が出席して対策本部の初会合を開きました。

茂木幹事長は、「集落の孤立も懸念されているようで、政府には引き続き、情報収集や被害者の対応に全力をあげてもらいたい。わが党としても政府と連携して万全の対応をとっていく」と述べました。

このあと茂木氏は記者団に「非常に大きな被害であり、政府の対応が十分か、十分ではないかという評価をするよりも、全力をあげ、党も協力して今後の対応にあたっていきたい」と述べました。

共産 災害対策本部会議を開催

共産党は、2日午後、党本部で幹部や所属議員らが出席して災害対策本部会議を開きました。

冒頭、志位委員長は「被害がかなり広範に及び、人的被害や経済被害も大きいと伝えられている。党として最大限の力を出し、被災者の支援をしていく必要がある」と述べました。

そして、党の石川県や富山県、新潟県の県委員会とオンラインで結んで被害状況などについて聴き取りを行いました。

このあと小池書記局長は記者団に対し「被災地は本当に深刻な状況だ。政府には、現場の声にしっかり応えてやるべきことをやってもらいたい。現地には原発もあり、廃炉を強く求めていく」と述べました。