ロシア要請で国連安保理が緊急会合 ウクライナとお互いを非難

ロシア西部の都市に攻撃があり多数の死傷者が出たことを受けて、国連安全保障理事会では30日、ロシアの要請で緊急会合が開かれました。会合では、ロシアとウクライナ双方がお互いを非難しました。

ロシア非常事態省は30日、ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州の州都ベルゴロド市にウクライナ軍の攻撃があり、これまでに18人が死亡し、111人がけがをしたと発表しました。

これを受け、ロシアの要請で国連安全保障理事会では、30日、緊急会合が開かれ、はじめにロシアのネベンジャ国連大使は、民間施設をねらった「テロ攻撃だ」などと主張してウクライナを非難しました。

これに対して、ウクライナの代表は、前日の29日にロシアがウクライナ各地で行ったミサイルや無人機による攻撃で多数の死傷者が出たことを強く非難しました。
ただ、ウクライナの代表はロシア西部への攻撃について言及しませんでした。

欧米各国は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が根本的な原因だとして、ロシア軍の即時撤退を求め、このうちフランスのドリビエール国連大使は「ウクライナは国連憲章に基づいて自国を防衛しているが、ロシアはそれを踏みにじっている。ロシアは侵略戦争をやめなければならない」と述べました。

一方、アフリカや南米の理事国の間からは、ロシアとウクライナ、双方に対し、民間人の犠牲を減らすため、緊張の緩和や、和平の実現に向けた対話や交渉を求める声もあがりました。

このうちモザンビークの代表は、ロシア西部への攻撃に強い懸念を示した上で「暴力が双方の対立をエスカレートさせていることを示していて、地域や国際社会の平和と安全への脅威だ」と指摘しました。