国連安保理が緊急会合 各国がガザ地区の人道状況悪化に懸念

イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突をめぐって、国連安全保障理事会で緊急会合が開かれ、各国からは、ガザ地区の人道状況の悪化に懸念を示し、空爆や地上作戦を続けるイスラエルに対し、民間人の保護を求める意見が相次ぎました。

国連安保理では29日、日本時間の30日未明に緊急会合が開かれ、各国からは、ガザ地区の人道状況がさらに悪化しているとして、人道支援物資の搬入を増やすよう求める意見のほか、ガザ地区だけでなくヨルダン川西岸でも衝突によって犠牲者が増えているとして、懸念を示す意見が相次ぎました。

このうちフランスのドリビエール国連大使は「悪化の一途をたどるガザ地区の人道危機を深く憂慮している。イスラエルに対し、ガザ地区への支援物資の搬入を促進するよう求める」と述べました。

またイギリスのウッドワード国連大使は「イスラエルは国際人道法を守り、テロリストと民間人を明確に区別しなければならない」と強調したほか、アメリカの代表もイスラエルを擁護する立場を示しながらも「ガザ地区とヨルダン川西岸で、パレスチナ人の死者が前例のない数にのぼっていることを懸念する」と述べ、イスラエルに対し民間人を保護するよう求めました。

一方で、イスラエルのエルダン国連大使は、ハマスに拘束されている人質の名前をひとりずつ読み上げ「すべての人質が解放されるまで戦闘はやめない」と改めて主張しました。