イスラエル ガザ中部南部を空爆 難民キャンプで35人死亡か

イスラエル軍はパレスチナのガザ地区の中部や南部で、地上侵攻に加えて激しい空爆を行い、2つの難民キャンプへの空爆で少なくとも35人が死亡したと伝えられるなど、犠牲者の増加に歯止めがかからない状況が続いています。

イスラエル軍はガザ地区の南部や中部で、地上侵攻に加えて激しい空爆を行うなど攻勢を強めていて、中東の衛星テレビ局アルジャジーラによりますと、このうち、中部にある2つの難民キャンプでは29日、空爆によって少なくとも35人が死亡したということです。

また、28日夜には、多くの避難民が身を寄せる南部ラファにある住宅街が空爆を受け、少なくとも20人が死亡したと伝えていて、犠牲者の増加に歯止めがかからない状況が続いています。

こうした中、仲介にあたるエジプト政府は28日、ガザ地区への侵攻を停止して地域の平和と安定を取り戻すための、3段階からなる提案をすべての当事者に示したと明らかにしました。

提案の詳しい内容は明らかにされていませんが、第1段階について中東の複数のメディアは、戦闘を10日間休止し、ハマスが子どもや女性の人質を解放するのと引き換えに、イスラエルが収監されているパレスチナ人を一定数釈放することなどが盛り込まれていると伝えています。

エジプト政府はこれまでのところ、いずれの当事者からも返答はないとしています。

また、ハマスの政治部門の幹部も28日の記者会見で、「一時的または部分的な戦闘停止ではなく、包括的な戦闘停止を人々は望んでいる」と述べ、完全な停戦を求める姿勢を改めて強調していて、交渉は難航しているとみられます。