イスラエル 首相が“圧力”強調も 人質家族らが救出難航に抗議

イスラエル議会では25日、ガザ地区で捕らわれている人質の問題について審議が行われ、「軍事的な圧力」の必要性を強調するネタニヤフ首相に対して、傍聴に訪れた人質の家族たちからは救出が難航している現状への抗議の声が上がりました。

イスラエル軍はガザ地区北部をほぼ制圧したとして、イスラム組織ハマス指導部の潜伏先とみるガザ地区南部への攻勢を強めています。

ガザ地区の保健当局は25日、過去24時間に250人が死亡し、これまでの死者は2万674人にのぼったと発表しました。

こうした中、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは25日、ハマスのガザ地区トップを務めるヤヒヤ・シンワル指導者がハマスの政治部門に対し、イスラエル軍側の損害について具体的な数字を挙げて報告していたと報じ、シンワル指導者が依然として健在であることを示唆しました。

一方、イスラエルの議会では25日、人質問題の特別審議が行われ、傍聴席には人質の顔写真やプラカードなどを掲げた家族らが詰めかけました。

出席したネタニヤフ首相はこの日も「軍事的な圧力なしに人質の奪還は実現できない。私たちは勝利まで戦いをやめない」と強調しましたが、人質の家族たちからは演説中の首相に対し「いますぐ、いますぐに」と救出が難航していることへの抗議の声が上がっていました。

ガザ地区では今もおよそ130人が人質に捕らわれていて、イスラエルやパレスチナの報道によりますと、解放をめぐってはエジプトの仲介で新たな交渉が模索されているということですが、ハマスの壊滅を掲げるイスラエルと完全な停戦を求めるハマスの間の溝は大きく、協議は難航しているもようです。