乳牛1頭当たり去年の牛乳生産費用 全国平均100万円余 過去最高

2022年、牛乳を生産するためにかかった費用は、乳牛1頭当たり、全国平均で100万円余りと統計を取り始めて以来、最も高くなりました。ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、餌となる穀物の価格が高騰したことなどが影響しました。

農林水産省は毎年、全国の酪農家を対象に牛乳を生産するために1年間にかかった費用を調査し公表しています。

それによりますと、去年、乳牛1頭当たりの費用は、全国平均で100万8902円でした。

これは、前の年より14%余り増えて、昭和26年に統計を取り始めてから最も高くなりました。

ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、とうもろこしなどの穀物価格が高騰した影響で、費用の半分程度を占める餌代が15%余り増えたほか、電気代や水道代などの「光熱水費」も、エネルギー価格の高騰で25%余り増えたことなどが主な要因です。

費用への影響が大きい餌の価格は、ことしも、国際的な穀物価格や円安の影響などから高止まりの状況が続いていて、政府は、来年度予算案に餌用のとうもろこしの国内での生産を支援する費用を盛り込むなど、餌の国産化を推進していく方針です。