台湾 記者が総統選の偽の世調記事を報じた疑い 中国から指示か

台湾の記者が中国共産党の当局者の指示を受け、1月投票が行われる総統選挙についての偽の世論調査の記事をネットで報じた疑いが強まり、台湾の検察は22日、この記者の身柄を拘束しました。

台中地方検察署の調べによりますと、この記者はことし10月以降8回にわたり、台湾総統選挙についての世論調査の結果だとする記事を複数のネットメディアで報じたということです。

調査はこの記者が別の人物に委託して、台湾の北部、中部、南部でそれぞれ300人以上の有権者を対象に面接や電話で行ったことになっていましたが、実際には調査は行わず、候補者の支持率などをねつ造していたということです。

検察は、この記者が台湾の対岸にある中国・福建省の共産党委員会の当局者から指示を受け、総統選挙で特定の候補者を当選または落選させる意図でうその情報を流布した疑いが強まったとして、きのう身柄を拘束しました。

台湾の情報機関、国家安全局のトップは11月、議会・立法院の質疑で、台湾の世論調査機関の専門家や責任者が中国当局の招待で現地を訪問した事例があると確認したほか、こうした機関に中国から資金が流れていないかどうか注視していることを明らかにしていました。

台湾当局は、中国が世論調査のほかにもさまざまな手段で総統選挙への介入を企てているとみて警戒を強めています。