11月の消費者物価指数 前年同月比2.5%上昇 3か月連続の2%台

家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる11月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月より2.5%上昇しました。上昇率は前の月から0.4ポイント下がり、3か月連続で2%台となりました。

総務省によりますと、11月の消費者物価指数は生鮮食品を除いた指数が2020年の平均を100として去年11月の103.8から106.4に上昇し、上昇率は2.5%でした。

前の月から0.4ポイント下がりました。

政府の負担軽減策や燃料価格の低下で「電気代」や「都市ガス代」の下落幅が拡大したことなどが主な要因です。

上昇率は、ことし1月の4.2%から鈍化傾向となっていて、3か月連続で2%台となりました。

「生鮮食品を除く食料」は去年の同じ月より6.7%上昇しました。

10月から0.9ポイント下がっています。

具体的にみると▽「鶏卵」は26.3%、▽外食の「フライドチキン」は19.2%、▽「調理カレー」は16.8%、▽「アイスクリーム」は12.3%、
▽「食パン」は7.9%上昇しています。また、▽「宿泊料」は観光需要の回復などを背景に62.9%上昇し、比較可能な1971年1月以降、最大の上昇幅となりました。

一方、
▽人件費の増加が反映されやすい「サービス」の上昇率は2.3%で、消費税率引き上げの影響を除くと1993年10月の2.4%以来、30年1か月ぶりの高い水準となりました。

総務省は「上昇率は全体でみると鈍化の傾向だが、サービスでは企業の価格転嫁や人手不足を背景に学習塾代や警備会社の料金が上がるなど、上昇の動きに広がりもみられる」としています。

商店街では

11月の消費者物価指数で、消費者が購入する頻度が高い44品目についてまとめた上昇率は6.4%となり、生鮮食品を含めた全体の上昇率、2.8%を大きく上回りました。

このところの物価の動向について、東京 品川区の商店街では、食料品の値上がりを実感しているといった声が聞かれました。

60代の女性は「トマトやたまねぎといった野菜など、食料品はものによって高いです。たくさんのお店があるので、値段を見ながら安いところでなるべく買っています。ものの値段は上がったままで、このまま固定してしまうのではないか」と話していました。

40代の男性は「物価が上がっているのは把握しているつもりなので、ぜいたく品は買い控えています。物価と給料が両方上がっていくのが健全だと思います。来年は、物価も給料もあがって生活はあまり変わらないという感じになってくれればよいと思います」と話していました。

また、70代の女性は「自分の趣味や友人との外出などにもお金を使いたいので、家計も工夫しています」と話していました。

ファミリーレストランでは

物価の上昇が続く中、消費者の節約志向に対応しようと、一部の商品の値下げなどによって売り上げや来店客数の増加につなげようという外食チェーンもあります。

全国で1200店舗余りを展開するファミリーレストランでは11月16日から、すべての店舗で価格などを見直しました。

一部の商品については、卵や鶏肉といった原材料費や、人件費の上昇を理由に値上げを行い、このうちオムライスは50円値上げしました。

また、それまで無料だったトッピング用の粉チーズは有料にしました。

一方、主力メニューの1つでもあるハンバーグやピザ、それにアルコール飲料など、合わせて30品を、50円から200円値下げしました。

値下げした商品にはパンやサラダ、デザートなど、小さな器に盛られたメニューも多く含まれていて、こうした取り組みによって、1人の客が1回の食事で注文する商品の数を増やすねらいがあるということです。

会社によりますと、価格改定直後の1週間に、1人の客が注文した商品の数の平均は改定前より、およそ7%増えたということで、値下げなどの取り組みが売り上げの増加にもつながっているということです。

東京 練馬区の店舗を訪れた20代の大学生は「値下げをしてくれて注文しやすくなった。何かメインを食べたあと、もの足りなくなった時に小皿のメニューが安いとありがたいです」と話していました。

ファミリーレストラン「ガスト」を運営する「すかいらーくホールディングス」の平野曉執行役員は「さまざまなニーズが混在する中、1品1品の価格が高いと、選ぶものが限られてしまう。値引き競争をすることが目的ではなく、値下げによって複数人でシェアしたり追加で1品注文したりする楽しさを提供したいというねらいがあり、今後も外食の機会を楽しんでもらえるよう努力したい」と話していました。