北朝鮮が弾道ミサイルの可能性あるもの発射 EEZ外に落下と推定

防衛省は17日午後10時37分ごろ北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル1発が東の方向へ発射されました。

ミサイルの飛行距離はおよそ400キロ、最高高度はおよそ50キロで、朝鮮半島の東側の日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されています。

防衛省幹部によりますと、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものは、短距離弾道ミサイルの可能性が高いということです。

防衛省などによりますとこれまでのところ日本の船舶や航空機などへの被害の情報は入っていないということです。

政府は厳重に抗議し強く非難

政府は、「北朝鮮の行動は、わが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすもので、安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題だ」として北朝鮮に厳重に抗議し強く非難したとしています。

その上で「国民の生命や財産を守り抜くため、引き続きアメリカや韓国などと緊密に連携し、情報の収集・分析および警戒や監視に全力をあげる」としています。

海上保安庁「弾道ミサイルの可能性あるもの すでに落下か」

海上保安庁は防衛省からの情報として、「弾道ミサイルの可能性があるものは、すでに落下したとみられる」と17日午後11時2分に発表しました。

発射直後に米韓非難の談話 北朝鮮国防省が発表

北朝鮮国防省は、発射から30分後に報道官談話を出し、米韓両国が今月15日に開いた「核協議グループ」の会合で、北朝鮮による核の脅威を抑止するため、来年半ばまでにガイドラインを作成することで一致したのに対し「核対決宣言だ」などと反発しました。

また、アメリカの原子力潜水艦が17日、韓国南東部のプサンに入港したことなどに言及した上で「敵対勢力のいかなる武力使用のたくらみも、先制的かつ壊滅的な対応に直面することになる」として、対決姿勢を強調しました。

北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射した背景について、韓国の専門家からは、プサンに入港したアメリカの原子力潜水艦を射程に収めていることを示すねらいがあるとの指摘が出ています。

韓国政府の高官は、北朝鮮が今月中にもICBM=大陸間弾道ミサイルを発射する可能性があるという見方を示していて、関係国はさらなる発射への警戒を続けています。

韓国軍 合同参謀本部も短距離弾道ミサイルと推定 発表

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が17日午後10時38分ごろにピョンヤン付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイルと推定される1発を発射したと発表しました。

岸田首相 万全の態勢をとるよう指示

北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたことを受けて、岸田総理大臣は、情報の収集と分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、それに不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。

韓国軍合同参謀本部も発表

韓国軍の合同参謀本部も、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射したと、17日午後10時42分ごろに発表しました。

海上保安庁 航行中の船舶に注意呼びかけ

海上保安庁は防衛省からの情報として、「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射された」と17日午後10時41分に発表しました。

航行中の船舶に対し、今後の情報に注意するよう呼びかけています。

政府 緊急参集チームを招集

政府は、17日総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室に関係省庁の担当者をメンバーとする緊急参集チームを招集し、情報の収集と被害の確認などにあたっています。

ことし20回目の発射

北朝鮮が弾道ミサイルの可能性があるものや、弾道ミサイル技術を用いたものを発射したのは11月22日以来で、ことし20回目となります。