イスラエル軍 “誤射の人質は白旗を掲げていた” 責任認める

ガザ地区で3人のイスラエル人の人質を誤って射殺した問題をめぐり、イスラエル軍は人質が「白旗」を掲げていたことを明らかにし、発砲は軍の規定に反していたと、全面的に責任を認めました。人質の家族などからは軍事作戦を続ける政府に反発するとともに、解放に向けた交渉の再開を求める声があがっています。

イスラエル軍は16日もガザ地区への激しい攻撃を続け、ロイター通信は南部ハンユニスの病院で空爆による20人の死亡が確認され、北部ガザ市でも多くの人が避難する建物が攻撃され、死傷者が出たと伝えています。

激しい戦闘が続くなか、イスラエル軍は15日、北東部シュジャイヤでイスラエル人の人質3人を誤って射殺したと明らかにし、衝撃が広がっています。

イスラエル軍トップのハレビ参謀総長は16日、動画で声明を発表し、当時、3人は爆弾を身につけていないことを示すためにシャツを脱いだうえに、白い布を「白旗」として掲げて、抵抗の意思がないことを示していたにもかかわらず、兵士が発砲したと明らかにしました。

そして、「白旗を掲げ投降の意思を示す人物を攻撃することは禁じられている。再発防止のためにあらゆることをする」と述べ、発砲は軍の規定に反していたと、全面的に責任を認めました。

ガザ地区にはいまも130人以上の人質が拘束されていて、家族などからは軍事作戦を続ける政府に反発するとともに、人質解放に向けた交渉の再開を求める声があがっています。

一方、ハマスは16日、イスラエルの攻撃により人質が相次いで死亡したと主張する動画をSNSに投稿し、イスラエル側に交渉に応じるよう圧力をかけるねらいがあるとみられます。

こうしたなか、アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは16日、関係者の話として、イスラエルの情報機関モサドの長官が、前回の戦闘休止と人質解放の交渉で仲介役を担ったカタールのムハンマド首相兼外相と、北欧のノルウェーで会談したと伝えました。

モサドの長官は同じく仲介役を担ったエジプトの当局者とも会う予定だと伝えていて、戦闘休止に向けた交渉の再開に結びつくのか注目されます。