イスラエル 人質3人誤って射殺 人質の親族ら解放交渉求め集会

イスラエル軍は、激しい攻撃を続けているパレスチナのガザ地区でイスラム組織ハマス側に拘束されていた人質3人を誤って射殺したことを明らかにしました。これを受けてイスラエルでは、15日夜、人質の親族ら数百人が人質の解放に向けた交渉を直ちに行うよう訴えました。

イスラエル軍のハガリ報道官は、15日、ガザ地区東部のシュジャイヤ地区での戦闘でイスラエル軍は3人の男性を「脅威」だと認識し、射殺したと発表しました。

その後、3人が人質である可能性が浮上したため、詳しく調べたところ、いずれも10月7日にガザ地区周辺の集落からハマス側にさらわれた人物だったことが確認されたということです。

3人は拘束場所から自力で逃げたか、ハマス側に放棄されたとみられるということで、ハガリ報道官は調査を開始したとしています。

これを受けて、イスラエルの商業都市、テルアビブでは、ハマス側に拘束されている人質の親族の呼びかけで、イスラエル政府に対して残された人質全員の解放に向けた交渉を直ちに行うよう訴える集会が開かれました。

集会には数百人が集まり、「直ちに交渉を」などと声をあげていました。

ガザ地区では、イスラエル軍が、ハマスのガザ地区トップのシンワル指導者が潜伏している可能性があるとみる南部ハンユニスなどで攻勢を強めており、ハマス側も激しく抵抗しています。

ガザ地区の保健当局によりますとこれまでの死者は1万8787人に上り、人道状況が一段と深刻になっています。

こうした中、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは15日、ガザ地区の南部ハンユニスの避難所で取材をしていたカメラマンがイスラエル軍の攻撃に巻き込まれて負傷し、その後、治療を受けられずに死亡したと伝えました。

報道の自由を守る活動をしている国際的なNPO、CPJ=ジャーナリスト保護委員会は、ハマスとイスラエル軍との一連の衝突で、12月15日までに少なくとも64人の報道関係者が各地で死亡したとしていて、現地で取材するジャーナリストの犠牲も増えています。