ケレム・シャローム検問所 物資搬入を一時的に許可 イスラエル

イスラエル軍は、ガザ地区で多くの避難民が逃れている南部ラファにあるハマスの軍事拠点を攻撃するなど攻勢を強めています。一方、イスラエル政府は人道支援物資の搬入で焦点となっていた検問所からの搬入を一時的に許可すると発表し、人道状況の改善に結びつくのか注目されます。

イスラエル軍は、ハマスのガザ地区トップのシンワル指導者が潜伏している可能性があるとみる南部ハンユニスなどで攻勢を強めており、15日には多くの避難民が逃れている南部ラファにあるハマスの軍事拠点を攻撃したなどと発表しました。

中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、15日、ハンユニスでも激しい攻撃があり、アルジャジーラのカメラマンが死亡し、記者がけがをしたと伝えています。

また、イスラエルのメディア、タイムズ・オブ・イスラエルは、15日、軍がハマスの地下トンネルに海水の注入を始め、試験のため限定的であるものの、成功とみなされていると伝えました。

一方、ハマスは15日、ハンユニスでイスラエル軍の兵士がいた建物を爆破したなどとSNSで発表し、イスラエル軍に打撃を与えていると主張しています。

さらに15日にはガザ地区からエルサレムに向けてロケット弾を発射しましたが、イスラエル軍に迎撃され、けが人はいませんでした。

ガザ地区の保健当局によりますとこれまでの死者は1万8787人に上り、人道状況が一段と深刻となっています。

こうしたなか、イスラエル政府は、15日、ガザ地区とイスラエルとの境界にあるケレム・シャローム検問所からの人道支援物資の搬入を一時的に許可すると発表しました。

これまで物資の搬入はエジプトとの境界にあるラファ検問所に限られ、新たな検問所の開放を許可するかが焦点となっていて、14日からイスラエルを訪れていたアメリカのサリバン大統領補佐官も対応を働きかけていました。

イスラエル政府は「1日あたりトラック200台分の輸送を約束している」として物資の搬入量を倍増させる姿勢を示しており、人道状況の改善に結びつくのか注目されます。