COP28合意文書草案 焦点の化石燃料「段階的廃止」に言及せず

UAE=アラブ首長国連邦で開かれているCOP28で、議長国のUAEが13日に新たな合意文書の草案を示しました。焦点となっている化石燃料については、「段階的な廃止」には言及せず、「化石燃料からの移行を進める」としていますが、合意できるかは予断を許さない状況です。

11月30日から開かれているCOP28では化石燃料について、合意文書でどう表現するかが焦点になっていて、欧米の先進国や島しょ国などが化石燃料の「段階的な廃止」を強く求めているのに対し、化石燃料に経済を依存する産油国などは「段階的な廃止」は受け入れられないという立場で、交渉は難航しています。

議長国のUAEは12日までの会期を延長したうえで、現地時間の13日の早朝、新たな合意文書の草案を示しました。

この中で、化石燃料については「段階的な廃止」には言及せず、「化石燃料からの移行を公正で公平な秩序ある方法で進め、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするため、この重要な10年の間に行動を加速させる」としています。

議長国には「廃止」という表現を避け、「移行」とすることで、幅広い支持を取り付けるねらいがあるとみられますが、合意できるかは予断を許さない状況です。