【詳細】内閣不信任決議案 自民・公明など反対多数で否決

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案は、衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの反対多数で否決されました。

9:30ごろ

岸田首相 “粛々と対応すべく与党と相談”

岸田総理大臣は、立憲民主党が提出する方向で調整している内閣不信任決議案への対応について「信じるところに従って粛々と対応すべく与党と相談していく」と述べました。

岸田総理大臣は、午前9時半ごろ、総理大臣官邸に入る際、記者団の取材に応じました。

この中で、岸田総理大臣は、岸田派でも派閥が実際に集めた収入より少ない金額が収支報告書に記載されていたとみられることについて改めて問われ「宏池会の事務局でしっかりと調査し、当局に対して説明を行い、修正が必要なものがあれば適切に対応するよう指示している。具体的なものが確定したら私のほうに報告があると思うので、報告を受けたら適切に説明させる」と述べました。

また、安倍派の政務三役の交代について問われたのに対しては「政治の信頼回復や、政策遂行の遅延を招かないためしかるべきタイミングで適切に対応すると申し上げてきた。その方針は変わっていない。それ以上、いま申し上げることはない」と述べました。

一方、岸田総理大臣は、立憲民主党がきょう提出する方向で調整している内閣不信任決議案への対応について「信じるところに従って粛々と対応すべく与党と相談していく」と述べました。

松野官房長官“提出されたら与党とも対応相談したい”

松野官房長官は、午前の記者会見で「内閣不信任決議案が提出された場合には、岸田総理大臣が述べたとおり、与党とも対応を相談したい。岸田政権は、先送りできない内外の諸課題に常にスピード感を持って取り組んできた。引き続き国民生活やわが国の安全と国民の命を守るための取り組みを進めたい」と述べました。

また、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題などが年内の政治日程に与える影響について問われ「政府としては、年末の予算編成や税制改正などの重要課題への対応に遅滞が生じないよう取り組んでいく」と述べました。

立民 安住国対委員長“内閣不信任決議案 提出準備は整えている”

国会は会期末を迎え、立憲民主党の安住国会対策委員長は13日午前、記者団に対し「内閣不信任決議案を提出する準備は整えている。これから参議院本会議で旧統一教会の関連法案の採決が行われるが、こうした法案を処理したあとに泉代表がどう判断するかを待っている」と述べました。

その上で「岸田内閣はずっと前から不信任だと思っていた。派閥政治の根幹が問われ、安倍派を中心に大きな疑いがかけられているのは大変、恥ずかしい話だ」と述べました。

立憲民主党は、旧統一教会の被害者を救済するための法案が成立したあと、13日午後に、岸田内閣に対する不信任決議案を衆議院に提出する方針です。

立憲民主党は、ほかの野党にも賛同を呼びかけることにしています。

11:30ごろ

岸田首相 自民党本部で否決方針を確認

岸田総理大臣は13日午前11時半ごろから自民党本部で、麻生副総裁や茂木幹事長ら党執行部と会談し、内閣不信任決議案が提出された場合、午後の衆議院本会議で否決する方針を確認しました。

12:45ごろ

立憲民主党 内閣不信任決議案を衆議院に提出

国会は会期末を迎え、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、立憲民主党は、岸田内閣に対する不信任決議案を衆議院に提出しました。

立憲民主党は13日午後0時45分ごろ、岸田内閣に対する不信任決議案を衆議院に提出しました。

決議案では自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて「国民の内閣に対する信頼は完全に失墜した。岸田内閣は国民の声を聞く力も政策を決定し遂行する能力もない。国政の停滞は許されず、内閣はただちに総辞職すべきだ」としています。

泉代表は党の会合で「日本中を揺るがしている自民党の派閥の裏金疑惑は重大な問題だ。すでに岸田政権に正当性はなく、信任に値しない。自民党全体が腐っていると言わざるを得ない」と述べました。

決議案は、このあと開かれる衆議院本会議で採決される見通しです。

立民 泉代表 “岸田政権には正当性も政権担当能力もない”

立憲民主党の泉代表は、岸田内閣に対する不信任決議案を提出したあと記者団に対し、「これだけ裏金疑惑がまん延し、岸田総理大臣が会長を務めていた派閥でも疑惑が持ち上がっている状況でもはや岸田政権には正当性も政権担当能力もない。裏金に染まっていない議員で内閣を構成しようとすることも相当大変な状況で、組閣能力も失っている。与党の中からも多くの賛同が出ることを期待している」と述べました。

衆院本会議 午後3時から採決へ

衆議院議院運営委員会の理事会が開かれ、午後3時から本会議を開いて、立憲民主党が提出した岸田内閣に対する不信任決議案の採決を行うことで与野党が合意しました。

自民・公明両党は反対する方針で、決議案は否決される見通しです。

野党全党 内閣不信任決議案に賛成へ

立憲民主党が岸田内閣に対する不信任決議案を提出したことを受けて、野党各党の国会対策委員長らが、13日午後、会談しました。

この中で、立憲民主党の安住国会対策委員長は「政治とカネをめぐる問題は看過できず、内閣不信任決議案を提出した」と述べ、賛同を呼びかけました。

そして、日本維新の会、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党と、無所属の議員でつくる会派「有志の会」は決議案に賛成する考えを示し、衆議院本会議ですべての野党が賛成することになりました。

また、会談では、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、必要に応じて衆議院予算委員会や政治倫理審査会の閉会中審査を開催するよう自民党に求めていくことを確認しました。

公明 山口代表“政権立て直し あるべき行政の姿を担いたい”

公明党の山口代表は党の両院議員総会で「厳しい目も注がれているが、行政は一刻の停滞も許されない。一つ一つの障害を乗り越え政権を立て直しながら、本来あるべき行政の姿をしっかり担っていきたい」と述べました。

また衆議院の解散について「当面、解散などをできる状況ではなく、今は問うべき信がないという認識だ。しっかりうみを出し切って再発防止策を確立し、信頼を取り戻した上で考えることだ」と述べました。

16:50ごろ

内閣不信任決議案 反対多数で否決

立憲民主党は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、13日、岸田内閣に対する不信任決議案を提出し、午後3時から衆議院本会議で審議されました。

立憲民主党の泉代表は趣旨弁明で「裏金疑惑は自民党の各派に拡大し、事実なら完全に違法で脱税になるのではないか。岸田内閣に正当性はなく、一刻も早く内閣総辞職を求める。それをしないなら衆議院を解散し、国民に信を問うてもらいたい」と訴えました。

これに対し、自民党の西銘・元復興大臣は「岸田内閣は困難なかじ取りが求められる中、国民の生命・財産を守り、わが国の平和を維持することに全身全霊で取り組んでいる。愚直な政治姿勢に不信任という言葉はまったく該当しない」と反論しました。

このあと記名投票による採決が行われ、決議案は自民・公明両党などの反対多数で否決されました。

野党側は、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党、れいわ新選組などが賛成しました。