“今の健康保険証 予定どおり来年秋に廃止” 岸田首相表明

岸田総理大臣は政府の会合で、予定どおり来年秋に今の健康保険証を廃止し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行する方針を表明しました。

政府は12日午後、総理大臣官邸で「マイナンバー情報総点検本部」を開き、マイナンバーカードをめぐるトラブルを受け、ことし6月から進めてきた総点検の結果の最終報告を行いました。

総点検はマイナンバーにひも付けられている医療や福祉などの情報について行われ、8200万件あまりのデータのうちあわせて8351件のひも付けミスが確認されたということです。

内訳はマイナンバーに他人の障害者手帳がひも付けられていたケースが5645件に上ったほか、国の給付金などを受け取る公金受取口座に他人のマイナンバーがひも付けられていたケースが1186件あったということです。

一方、他人の健康保険証の情報が登録されていたケースは1142件で、これに総点検に先立って行われていた調査の結果をあわせると8695件に上ることになります。

さらに健康保険証の情報については、入念に確認するため改めてすべてのデータを住民基本台帳と照合して確認する作業も進められていて、その結果、氏名などが一致しないケースが新たにおよそ139万件確認されたことも報告されました。

別人の情報がひも付けられているのは450件程度と推計されていて、来年春をめどに確認作業を終えるとしています。

会議の最後に岸田総理大臣は「健康保険証の廃止後も最大1年間は現行の保険証が使用可能で、マイナ保険証を保有しない方には申請によらず資格確認書を発行する。こうした不安払拭のための措置の進捗状況を踏まえ、予定通り現行の健康保険証の発行を来年秋に終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行する」と述べました。