11月企業物価指数 0.3%上昇 伸び率2年9か月ぶりの低水準

企業の間で取り引きされるモノの価格を示す先月(11月)の企業物価指数は前の年の同じ月と比べて0.3%上昇しました。伸び率は電力や都市ガスの価格が大きく下落したことなどから、2年9か月ぶりの低い水準となりました。

日銀が発表した先月の企業物価指数の速報値は、2020年の平均を100とした水準で、119.5となり、前の年の同じ月と比べて0.3%上昇しました。

伸び率はおととし2月以来、(2021年)2年9か月ぶりの低い水準で、去年12月の10.6%をピークに11か月連続で縮小しました。

調査対象となった515品目の価格は405品目で上昇し、93品目で下落しました。

このうち、▼「電力・都市ガス・水道」が政府による負担軽減策に加え、輸入する天然ガスなどの価格の低下を背景に24.5%の大幅な下落となったほか、▼「木材・木製品」が16.7%、▼「鉄鋼」が4.1%それぞれ下落しました。

企業物価指数の上昇率の縮小はエネルギーや原材料の高騰を受けた価格転嫁の動きが一服してきたことが伺え、こうした傾向が消費者物価指数にどう波及するか注目されます。