プーチン大統領 原潜就役式で演説 ウクライナや欧米けん制か

ロシアのプーチン大統領は、核兵器も搭載可能な新型の原子力潜水艦の就役式で軍事力を誇示し、ウクライナや欧米をけん制するねらいがあるとみられます。

ロシア北西部のセベロドビンスクで11日、核ミサイルの搭載が可能な新型の原子力潜水艦「皇帝アレクサンドル3世」など2隻の就役式が行われ、プーチン大統領が出席しました。

プーチン大統領は演説で「われわれは北極圏から極東、黒海など戦略的に重要な海域における海軍力を強化する」と述べ「ボレイ級」と呼ばれる原子力潜水艦をさらに3隻建造していると明らかにしました。

そして「皇帝アレクサンドル3世」がボレイ級としては7隻目で、極東の太平洋艦隊に配備されるとした上で「これらの原子力潜水艦は何年にもわたってロシアの安全を確実に守り、戦略的抑止の任務を遂行していく」と強調し、ロシアが軍事侵攻を続けるウクライナや、ウクライナを支援する欧米をけん制するねらいがあるとみられます。

一方、ロシア軍は、ウクライナ東部で攻勢を強めていて、ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は11日、ロシア側が追加の突撃部隊を投入するなどして攻撃を仕掛けているとSNSに投稿しました。

イギリス国防省は11日、この1週間で最も激しい戦闘が続いているのはドネツク州のアウディーイウカだとした上で、ロシア軍の攻撃は受刑者などで構成された部隊「ストームZ」による突撃が中心だと分析し、ロシア軍が引き続き多大な犠牲をいとわず攻撃を繰り返していることをうかがわせています。