COP28 国連 グテーレス事務総長“妥協で解決策模索する時”

UAE=アラブ首長国連邦のドバイで開かれている国連の気候変動対策の会議COP28は12日の会期末に向けて、最終盤の交渉が行われています。一方で「化石燃料の廃止」をめぐっては交渉が難航し、国連のグテーレス事務総長は「妥協によって解決策を模索する時だ」と、各国に協調を呼びかけました。

COP28では、世界全体の気候変動対策の進捗(しんちょく)を評価する「グローバル・ストックテイク」が初めて行われていて、対策強化などに向けての交渉が続いています。

なかでも化石燃料の廃止をめぐっては、欧米の先進国や気候変動の深刻な影響を受ける島しょ国が「段階的な廃止」を求める一方、産油国のサウジアラビアや経済成長が続くインドそれに中国などは、廃止の表現には反対の姿勢を示しているとみられ交渉は難航しています。

こうした中、11日、国連のグテーレス事務総長が会場で記者会見を行い交渉を加速化させる必要性を指摘したうえで「いまこそ最大の野心と柔軟性をみせるときで、妥協によって解決策を模索する時だ」と述べ、各国に立場の違いを越えて、協調するよう呼びかけました。

COP28は12日に会期末を迎えますが、最も重要なテーマの一つである「化石燃料の廃止」をめぐり、合意文書にどのような文言が盛り込まれるのか最終盤の交渉が行われています。