イスラエル ネタニヤフ首相 ハマス戦闘員に投降促す動画公開

イスラエル軍は、イスラム組織ハマスのガザ地区トップ、シンワル指導者の殺害を目標に、南部の主要都市ハンユニスなど複数の地域で激しい戦闘を続けています。ネタニヤフ首相は10日に公開した動画の中で「シンワルのために死ぬな。今こそ投降せよ」と呼びかけ、ハマスに揺さぶりをかけています。

イスラエル軍は、ガザ地区南部のハンユニスに、ハマスのガザ地区トップのヤヒヤ・シンワル指導者が潜伏している可能性があるとみて軍事作戦を進めていて、軍事作戦を再開した12月1日以降、ガザ地区で攻撃した標的は3500以上にのぼると10日に明らかにしました。

イスラエルのネタニヤフ首相は、10日夜に動画を公開し、「ここ数日、数十人のハマスのテロリストが投降した」と主張しました。

そのうえで、「戦闘はまだ続いているし、時間はかかる。しかし、これはハマスの終わりの始まりだ。ハマスのテロリストに告ぐ。終わりだ。シンワルのために死ぬな。今こそ投降せよ」と述べ、シンワル指導者の名前を挙げて戦闘員に投降を促し、ハマスに揺さぶりをかけました。

ガザ地区の保健当局は10日、これまでの死者がおよそ1万8000人にのぼったと明らかにし、ガザ地区では深刻な人道状況が続いています。

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は10日、臨時で開かれた理事会で「ガザの保健医療システムは崩壊寸前だ」と述べ、危機感を示しました。

テドロス事務局長は、ガザ地区では大勢の人々が避難しているため、狭い地域で過密状態となり、シャワーは平均で700人に1つ、トイレは150人に1つしか使えない状態になっていると指摘しました。

そして、感染症が広がるおそれが報告されているとしたうえで、「状況が悪化し、冬が近づくにつれ、このリスクは悪化することが予想される」として強い懸念を訴えました。