東京 江東区長選挙 大久保朋果氏当選 自・公・国・都ファ推薦

区長の辞職に伴う東京・江東区の区長選挙は、無所属の新人で自民党、公明党、国民民主党、地域政党の都民ファーストの会が推薦した大久保朋果氏(52)が初めての当選を果たしました。一方、投票率は39.20%で過去最低を更新する結果になりました。

江東区長選挙の開票は終了しました。
(以下、得票順)。
大久保朋果 無所属・新 当選 5万7029票。
酒井菜摘  無所属・新 3万4292票。
三戸安弥  無所属・新 3万132票。
猪野隆   無所属・新 2万8819票。
小暮裕之  無所属・新 1万2649票。

無所属の新人で自民党、公明党、国民民主党、地域政党の都民ファーストの会が推薦した大久保氏が、立憲民主党や共産党などが支持した酒井氏らほかの新人4人を抑えて初めての当選を果たしました。

大久保氏は52歳。平成7年に東京都庁に入り、生活福祉部の統括課長や、政策企画局の政策担当部長などを経て、今回の選挙に立候補するため退職しました。

今回の江東区長選挙は、ことし4月に初当選した前の区長が公職選挙法違反の疑いで関係先の捜索を受けるなどして、就任からおよそ半年で辞職したことに伴って行われ、新人5人が争う構図となりました。

選挙戦で大久保氏は、福祉行政に長年携わってきた経験や東京都の職員時代に培った小池知事との関係をアピールしたほか、コンプライアンスの徹底に取り組むことなどを訴えました。

大久保氏「政治への信頼 一朝一夕に取り戻せるものではない」

初めての当選を果たした大久保氏は「政治に対する信頼は一朝一夕に取り戻せるものではない。実直に仕事をすることの1日1日の積み重ねで、私自身がクリーンであることを今後も徹底したい」と述べました。

また、今後について「安心して子育てして、いつまでも住み続けられる、災害があっても安全安心なまち、1日も早く安定した区政にしていきたい」と抱負を述べました。

酒井氏「古い政治と決別できず悔しい」

酒井菜摘氏は「古い政治と決別できず悔しい。政治への不信が募っていることを肌で感じたが、それが投票率にも表れたのだと思う。今回、挑戦させてもらったことについては感謝の気持ちでいっぱいで、これからも江東区政に貢献したいという気持ちに変わりはない」と述べました。

三戸氏「当選できなかったことは私の力不足」

三戸安弥氏は「私に期待する票をこれだけいただいたのに、当選できなかったことは私の力不足だ。江東区の政治を諦めてはいないという区民の意思を背負って、引き続き、信用していただける江東区にしていきたい」と述べました。

小暮氏「区民の政治家と行政への怒り感じた」

小暮裕之氏は「弱い立場の子どもや高齢者の福祉を充実させたいと立候補したが夢はかなわなかった。街頭演説も何もかも初めてで、実力が不足していたと思う。選挙で、多くの区民の政治家と行政に対する怒りを感じたので、当選した大久保さんには区民に感謝される区政をしてほしい」と述べました。

江東区では、ことし4月の区長選挙で初当選した木村弥生前区長の陣営が、選挙期間中に動画投稿サイトに投票を呼びかける有料広告を出していたとして、東京地検特捜部が公職選挙法違反の疑いで区長室などを捜索したほか木村氏も任意の事情聴取を受け、就任からおよそ半年で辞職しました。

選挙戦では混乱した区政の立て直しや、政治への信頼回復、子育て支援などをめぐり論戦が交わされてきました。

投票率39.20% 過去最低更新

江東区選挙管理委員会によりますと、江東区長選挙の投票率は39.20%で、前回・ことし4月の選挙を9.66ポイント下回りました。これまでで最も低かった平成23年の45.75%も大きく下回り、過去最低を更新する結果になりました。