イスラエル軍報道官“ハマス幹部ら拘束 情報機関に引き渡し”

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が続くガザ地区では、イスラエル軍が南部の主要都市ハンユニスで攻勢を強めています。イスラエル軍の報道官は8日、「この48時間で200人以上を捕らえ、ハマスの幹部を含む数十人はイスラエルで取り調べるため、情報機関などに引き渡された」と明らかにしました。

イスラエル軍は8日、ハマスの主要な拠点があるとするガザ地区南部の主要都市ハンユニスで空爆と地上部隊による激しい攻撃を続け、ハマスの戦闘員数十人を排除し、複数の地下トンネルを破壊したなどと発表しました。

また、市内のハマスの拠点を急襲したほか、ハマス幹部の住宅で武器や情報資料を発見したなどと主張し、ガザ地区トップのヤヒヤ・シンワル指導者が潜伏している可能性があるとみてハンユニスでの攻勢を強めています。

イスラエル軍のハガリ報道官は8日夜の記者会見で、「多くのテロリストを排除しており、降伏する者も増えている。われわれはこの48時間で200人以上を捕らえ、ハマスの幹部を含む数十人はイスラエルで取り調べるため、情報機関などに引き渡された」と明らかにしました。

また、人質については、救出作戦を行ったものの救出には至らず、兵士2人が重傷を負ったとしています。

一方、ロイター通信はガザ地区の保健当局の話として、8日、ハンユニスにある住宅が爆撃され、少なくとも10人が死亡したほか、多数のけが人が出ていると伝えました。

こうした中、多くの住民がさらに南にあるラファへの避難を余儀なくされていて、人道状況は一段と悪化しています。

アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は8日、記者団に対し、「われわれは国際的な懸念を共有している。人道面で極度に困難な状況を緩和するためにできることはすべて行う」と述べました。

そのうえで、ガザ地区とイスラエル側との境界にあるケレム・シャローム検問所で、支援物資を搬入するトラックの検査を始める方向で調整が進められていることを明らかにしました。

ガザ地区ではエジプトとの境界にあるラファ検問所を通じて検査が済んだ支援物資が運び込まれていますが、危機的な人道状況の改善に向けて支援物資の搬入を増やすことができるかどうかが焦点となっています。