フィリピンの大地震 注意報解除後に愛知で20センチの津波観測

今月上旬、日本の太平洋沿岸各地に津波が到達したフィリピン付近を震源とする大地震で、注意報を解除したあとに愛知県で20センチの津波が観測されていたことが気象庁の解析で分かりました。
気象庁は解除したあとも一時的に注意報の基準に達することがあるとしています。

気象庁によりますと、今月2日、フィリピンのミンダナオ島付近を震源とするマグニチュード7.5の大きな地震が発生し、伊豆諸島の八丈島 八重根では3日午前4時半ごろに最も高い40センチの津波を観測したほか、太平洋沿岸の各地で数センチから20センチ程度の津波を観測しました。

地震から9時間余り後に津波注意報はすべて解除されましたが、気象庁が潮位のデータを詳しく解析したところ、愛知県田原市では注意報が解除されたおよそ1時間半後の午前10時21分に、20センチの津波を観測していたことが分かりました。

これについて気象庁は、20センチの潮位は長く続く状況ではなかったとしたうえで、津波注意報が解除されたあとも潮位が高まった状態がすぐに解消されないこともあるため、場合によっては一時的に注意報の基準に達することもあるとしています。

気象庁の下山利浩地震情報企画官は「津波注意報を解除したあとでも潮位の変化が継続することを十分に認識したうえで、海岸付近での釣りや海中での作業をしてほしい」と話しています。