円相場 約3か月ぶりに1ドル=144円台まで値上がり

7日の外国為替市場は、日銀の植田総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と述べたことなどを受けて、日銀が今の大規模な金融緩和策の修正に踏み切るのではないかという観測が広がって円高ドル安が進み、円相場は、一時、およそ3か月ぶりに1ドル=144円台まで値上がりしました。

7日の東京外国為替市場は日銀の植田総裁が参議院の財政金融委員会で、今後の金融政策の運営について「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っている」などと発言したことに加え、午後、岸田総理大臣と会談したことが伝わると、日銀が今の大規模な金融緩和策を修正し、マイナス金利政策の解除を含めた政策転換に踏み切るのではないかという観測が広がりました。

これを受けて市場では、円を買ってドルを売る動きが加速し、円相場は1ドル=145円台まで値上がりして、ことし9月以来、およそ3か月ぶりの円高水準になりました。

午後5時時点の円相場は、6日と比べて1円29銭円高ドル安の1ドル=145円67銭から69銭でした。

また、ユーロに対しては、6日と比べて1円52銭円高ユーロ安の1ユーロ=157円4銭から8銭でした。ユーロはドルに対して1ユーロ=1.0780から81ドルでした。

外国為替市場では、その後も円高ドル安が進み、日本時間の7日夜には、円相場は、一時、およそ3か月ぶりに1ドル144円台まで値上がりしました。

市場関係者は「日銀の金融緩和策のいわゆる出口戦略が意識されたことなどで、日本の長期金利が上昇した一方、アメリカでは利上げが終結したとの観測が出ていて、日米の金利差が縮小するとの見方が広がったことも、円を買う動きを一段と強めた」と話しています。