愛知 留置場で死亡 県警が調査結果報告 遺族「再発防止を」

愛知県の岡崎警察署の留置場の保護室で、勾留されていた43歳の男性が死亡し、当時留置管理業務に関わった署員ら9人が業務上過失致死などの疑いで書類送検されたことを受けて、愛知県警が7日、改めて遺族に調査結果を報告しました。
このあと、遺族は会見を開き「これは氷山の一角だと思う。再発防止に向けて規則はいくらでも作れるので、警察にはそれをきちんと実践してほしい」と訴えました。

去年12月、岡崎警察署の留置場の保護室で、公務執行妨害の疑いで逮捕され勾留されていた43歳の男性が腎不全で死亡しました。

警察は、男性に必要な医療措置を受けさせることを怠ったなどとして、今月1日、当時、留置管理業務に関わった署員ら9人を業務上過失致死などの疑いで書類送検しました。

これを受けて、愛知県警は7日、県内の警察署で男性の父親に改めて問題の調査結果を報告しました。

このあと、父親は会見を開き「安全であるべき警察署の中で暴行などが横行していた。息子だけではなく別の人にも同じようなことをしていたということで、これは氷山の一角だと思う。再発防止に向けて規則はいくらでも作れるので、警察にはそれをきちんと実践してほしい」と訴えました。

そして「もう息子は戻ってこないので、これからは自分の人生を静かに生きていきたい」と話していました。

今回の問題を受けて、警察庁は全国の警察に、再発防止策の徹底を指示しています。

警察庁 露木長官 “再発防止策を徹底していく”

この問題について、警察庁の露木長官は、7日の定例の記者会見で「留置管理業務の不徹底により事案が発生したことを、警察庁としても重く受け止めている。改めて、お亡くなりになった方のご冥福とご遺族の方へのお悔やみを申し上げたい」と述べました。

そのうえで「警察庁では再発防止策を取りまとめて、全国警察に対策の強化を指示した。このような事案を二度と発生させてはならないと考えている」として、今後、全国会議を開催するなどして、再発防止策を徹底していく考えを示しました。