イスラエルとハマス 戦闘2か月 事態打開に向けた道筋見えず

イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘は7日で2か月となります。

パレスチナのガザ地区南部で地上侵攻を進めるイスラエル軍は南部の中心都市ハンユニスの中心部でハマスの拠点を標的とした作戦を開始したと明らかにし、民間人が巻き添えとなって犠牲者が増える懸念が強まっています。

ことし10月、ガザ地区を実効支配するハマスの戦闘員がイスラエル側に越境して奇襲攻撃を行い、これに報復する形でイスラエル軍が軍事作戦を開始してから7日で2か月となります。

戦闘は先月24日から7日間休止されたものの、今月1日、再開され、イスラエル軍はハマスの壊滅を目指すとして北部に続き南部でも地上侵攻に乗り出しています。

6日夜には、南部の中心都市ハンユニスの中心部でハマスの拠点を標的とした作戦を始めたと明らかにし、ハマスの戦闘員を殺害し、武器庫として使われていたモスクなどに攻撃を加えたとしています。

現地メディアはハンユニスの地下トンネル施設にハマスのガザ地区の指導者、ヤヒヤ・シンワル氏など幹部が潜んでいる可能性があるというイスラエル軍の見立てを伝えています。

ネタニヤフ首相は6日夜動画を公開し、「部隊はシンワルの家を包囲している。とらえるのは時間の問題だ」と述べて、早期の発見に自信をのぞかせました。

一方、ハマスはハンユニスや周辺でイスラエル軍の車両を破壊したと明らかにしたほか、ガザ地区からイスラエル側に向けてロケット弾を発射するなど徹底抗戦を続けています。

ガザの保健当局は戦闘開始以降の2か月間でガザ地区で1万6248人が死亡し、このうち今月1日の戦闘再開以降の死者は1240人にのぼるとしていて、犠牲者の増加に歯止めがかからなくなっています。

一方、イスラエル側は1200人以上が死亡したとしています。

こうした中、南部にあるラファにはハンユニスなどから避難する住民が増え続けていますが、戦闘の再開後、エジプト側から搬入される人道支援物資は減っていて、燃料や水が不足しています。

また、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関が4日に発表した報告書によりますと、ガザ地区では人口の8割を超えるおよそ190万人が避難を余儀なくされているということで、人道状況が悪化しています。

イスラエル側はハマスの壊滅に向けて地上侵攻を続ける構えを見せていますが、ハマス側は侵攻が続くかぎり人質の解放や交渉には応じないとしていて、事態打開に向けた道筋は見えない状況です。