香港の民主活動家 周庭氏 “今も身の安全が不安”

カナダに滞在していることを明らかにした香港の民主活動家、周庭氏が6日、NHKのオンラインインタビューに応じ、「一番の不安は自分の身の安全だ」と述べ、中国当局に行動を把握されていないか心配だという、今の心境を語りました。

香港の民主活動家の周庭氏は3年前、抗議活動に関連して実刑判決を受けたあと、おととし、刑務所を出所しましたが、12月3日にSNSへの投稿で、ことし9月に香港を離れ、カナダのトロントに滞在していることを明らかにしました。

周氏は6日、NHKのオンラインインタビューに応じ、香港にいたころの状況について、「香港国家安全維持法で逮捕されたことがあまりにも怖くて、PTSDにもなった。警察に、また逮捕されるのではないかという恐怖があった」と振り返りました。

そのうえで、当時、当局にパスポートを取り上げられていたことにも触れたうえで、「何かを変えようという気持ちもあり、カナダの大学で勉強したいと思った」とカナダへの留学を決めた理由を語りました。

また、カナダ滞在後について、「一番心配なのは、海外にいるとされる中国の秘密警察だ。一番の不安は自分の身の安全だ」と述べ、中国当局に行動を把握されていないか心配だという、今の心境を語りました。

そのうえで、香港に戻らないと決断したことについて、「香港は私の家なので、すごくつらく難しい決断だった。ただ、いつか香港が自由や人権が保障される場所になったら、やはり戻りたい」と複雑な思いを語りました。

そして、「私はこの3年間で『恐怖からの自由』がいったい何なのかがすごく分かった。日本の皆さんは、当たり前のように民主主義や、自由、人権の保障を持っている。それを大事にすることが重要だ」と訴えました。