大谷翔平の移籍交渉 ドジャース監督「面談はうまくいった」

大リーグのウインターミーティングが開かれているテネシー州のホテルで、ドジャースのロバーツ監督が取材に応じ、数日前に大谷翔平選手とロサンゼルスで面談して交渉したことを明かしました。ロバーツ監督は「面談はうまくいったと思う。彼と一緒の時間を過ごせて本当にうれしかった」と話し、獲得に期待を寄せました。

テネシー州ナッシュビルのリゾートホテルで開かれているウインターミーティングは開催2日目となる5日、ドジャースやジャイアンツ、ブルージェイズなど、アメリカのメディアが大谷選手と交渉を続けている最終候補=「ファイナリスト」として挙げている各球団の監督が会見しました。

このうち、ドジャースのロバーツ監督は数日前にロサンゼルスのドジャースタジアムで大谷選手と面談して交渉したことを明かし、「面談は2、3時間だったが、うまくいったと思う。明らかに翔平の獲得はわれわれの最優先事項で、彼と一緒の時間を過ごせて本当にうれしかった」と話し、獲得に期待を寄せました。

大谷選手が先月、エンジェルスからFA=フリーエージェントになって以降、公式の場で大谷選手との交渉を認めたのは今回のドジャースが初めてです。

ロバーツ監督は大谷選手がいつ決断を下すかは分からないとした上で、「近いうちに決まることを願っている」と話し、早期の決着を願っていました。

また、アメリカのメディアは大谷選手が4日、フロリダ州にあるブルージェイズのキャンプ地を訪れたと伝えているほか、ジャイアンツの本拠地のサンフランシスコも先週末に訪れたのではないかと伝えました。

その一方、カブスは「ファイナリスト」から後退したと伝えるなど、移籍交渉の山場となっているウインターミーティングの会場では連日、さまざまな情報が飛び交っていますが、これまでたびたび移籍先の本命候補として挙げられてきたドジャースが大谷選手と面談した事実をいち早く公表したことで、秘密のベールに包まれていた交渉の一部がようやく明らかになりました。

ドジャース監督「正直でありたい」発言の真意は

これまで、各球団の幹部が外部に漏らすことの無かった大谷選手サイドとの交渉の詳細。

その沈黙を突如打ち破ったドジャースのロバーツ監督は、「うそをつきたくない。正直でありたいんだ」と繰り返し述べました。そのことばからは、大谷選手の獲得に向けたなみなみならぬ自信もかいま見えました。

大谷選手の代理人を務めるネズ・バレロ氏はこれまで、大谷選手の交渉について一切、詳細を明かしてきませんでした。それは今回に限ったことではなく、去年、大谷選手がエンジェルスと1年契約を結んだ際も同様で、事前に球団側からも情報が漏れることはありませんでした。

そうした情報管理が徹底されてきた中で、突如、ロバーツ監督が大谷選手と「ドジャースタジアムで2、3時間にわたって面談した」と認めたことは、事情を知る報道関係者の間で驚きを持って受け止められました。

ロバーツ監督は発言の意図について、「この状況でうそをつくことは自分のするべきことではないと思ったし、正直でありたいと思った」と明かし、面談についても「彼はすでにアメリカで6年間プレーし、ドジャースのこともこの街のことも十分理解している。売り込みというよりは、彼により親しみを持ってもらうという意味合いが強かったと思う」と話しました。

会見場がざわつく中、時に笑顔も見せながら話すその様子からは、大谷選手の獲得に向けたなみなみならぬ自信もかいま見えました。

その一方で、ロバーツ監督の会見のおよそ2時間後に取材に応じたドジャースのゴームスゼネラルマネージャーは面談したことを認めることなく、これまでどおり、「特定の選手については話さない」と語り、その様子はロバーツ監督の発言が球団にとっても想定外だったことをうかがわせるものでした。

エンジェルスGM “トラウト 100%トレードはない”

エンジェルスのミナシアンゼネラルマネージャーは5日、一部でトレードの可能性が取りざたされていた大黒柱のトラウト選手について「100%、トレードはない」と話して残留を明言しました。

エンジェルスが2014年を最後に9年連続でプレーオフ進出を逃していることから、アメリカの一部メディアはこのオフの最優先事項としている大谷選手の残留がかなわなかった場合、チームを再建するためにトラウト選手をトレードに出して有望な若手選手を数多く獲得するのではないかと伝えていました。こうした報道を今回、ミナシアンゼネラルマネージャーみずから否定した形です。

ミナシアンゼネラルマネージャーはこのウインターミーティングの期間中、ずっと部屋にこもりっきりで、さまざまな交渉にあたっているということで「そろそろ新鮮な空気を吸いたい。ホテルのプールにあるウォータースライダーに飛び込んでリフレッシュしたい気分だ」と笑顔を見せていました。