ベネズエラ 係争地併合賛否問う国民投票 9割超賛成 緊張高まる

南米のベネズエラが隣国ガイアナのおよそ7割を占める地域の領有権を主張し、併合の賛否を問う国民投票で95%以上が賛成したと発表しました。国民投票の背景にはこの地域の沖合で大規模な油田が見つかったことがあり、両国の間で緊張が高まっています。

ベネズエラの反米左派マドゥーロ政権は、隣国ガイアナの領土のおよそ7割を占める、エセキボ川左岸の地域について領有権を主張しています。

この地域は1899年の仲裁協定で当時イギリスの植民地だったガイアナの一部と判定されましたが、ベネズエラは無効だと訴え、2015年にこの地域の沖合で大規模な油田が見つかったことをきっかけに帰属をめぐる争いが再燃していました。

マドゥーロ政権は3日この地域をベネズエラに併合することへの賛否を問う国民投票を実施し、選挙管理当局は95%以上が賛成したと発表しました。

マドゥーロ大統領は4日「拘束力を持った国民投票であり、国民の命令に従う」と述べました。

一方、ガイアナ側は今回の投票の結果を受けて副大統領が「あらゆる事態に備える必要がある」と述べるなど、両国の間で緊張が高まっています。