北朝鮮 今月下旬に党中央委総会を開催へ 軍事分野言及など焦点

北朝鮮は朝鮮労働党の重要政策を決定する中央委員会総会を、今月下旬に開くと正式に発表しました。北朝鮮は先月、打ち上げの成功を初めて発表した軍事偵察衛星について、今回の総会で来年の打ち上げ計画を決定すると予告していて、軍事分野や対外関係への言及が焦点です。

2日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の出席のもと、党の政治局会議が1日開かれたと伝えました。

会議では党の重要政策を決定する中央委員会総会を、今月下旬に開催することが正式に決まり、「来年の闘争の方向と重大問題について討議・決定する」としています。

キム総書記は1日の会議で「国の経済が安定的かつ持続的に成長していくことが明確になっている。また、国家防衛力の強化においては、重大な意義を持つ画期的な変革が起きた」と強調したということです。

北朝鮮は先月、軍事偵察衛星の打ち上げに初めて成功したと発表し、今回の総会で、複数の偵察衛星を追加で打ち上げるとした、来年の計画を決定すると明らかにしていました。

ことし6月以来となる総会では「国防5か年計画」が、来年で4年目になることを踏まえて、キム総書記が演説で軍事分野や対外関係にどう言及するかが焦点です。

北朝鮮国防省「米宇宙軍の敵対的立場は見過ごすことはできない」

北朝鮮国防省は2日、国営の朝鮮中央通信を通じて報道官の談話を発表し、アメリカ宇宙軍が北朝鮮の偵察衛星を活動できないようにすることも可能だとの考えを示したと伝えられたことに対して、強く反発しました。

談話では「わが国の衛星に対するアメリカ宇宙軍の敵対的立場は、絶対に見過ごすことはできない。自主権に対する挑戦であり、より正確には宣戦布告だ」と非難しています。

そのうえで「アメリカが不法に先端技術の力を用いて、主権国家の領域圏を侵犯するならば、アメリカの偵察衛星の生存力を除去するための措置を考慮する」と主張しています。