ガザ地区“人質8人解放” 戦闘休止 さらに延長されるかが焦点

イスラエルとイスラム組織ハマスはガザ地区での戦闘休止について、7日目の先月30日、期間を1日延長することで合意しました。これに基づく戦闘の休止は日本時間の1日午後2時までの見通しで、関係国による働きかけによってさらに延長されるのかが焦点です。

イスラエルとガザ地区を実効支配するハマスは先月24日から戦闘を休止し、29日までの6日間に▼ハマス側がガザ地区で拘束していたイスラエル人と外国籍の人質合わせて97人を解放した一方、▼イスラエルも刑務所に収容していたパレスチナ人210人を釈放しました。

戦闘休止の期限が迫った30日朝、双方は期間を1日延長することで合意し、イスラエル軍は30日夜、ガザ地区で拘束されている人質のうち、新たにイスラエル人8人が解放されたと発表しました。

また、カタール政府は、これに伴ってイスラエルの刑務所に収容されていたパレスチナ人30人が釈放されると発表しました。

今回の合意に基づく戦闘の休止は現地時間の1日朝、日本時間の1日午後2時までの見通しで、エジプト政府は30日、「戦闘休止をさらに2日間延長すべく、エジプトとカタールによる接触が続いている」とする声明を発表し、仲介役の両国がイスラエルとハマスに働きかけていることを明らかにしました。

また、イスラエルを訪問したアメリカのブリンケン国務長官はネタニヤフ首相らと会談し、戦闘休止をさらに延長するよう求めました。

こうした中、イスラエル軍のアリエ・シャリカル報道官は30日、イスラエル南部ツェリムの軍の施設でNHKなど外国メディアの取材に応じました。

ガザ地区での戦闘の休止についてシャリカル報道官は「外交的な手段で人質の解放ができなければ、軍事的な行動を通じて人質の解放を目指す必要がある」と述べ、攻撃再開の準備は整っているとした上で、ハマスの壊滅に向けてはガザ地区南部への侵攻が必要だという考えを強調しました。

イスラエルが戦闘休止の期間が終わりしだい、軍事作戦を再開する構えを見せる中、関係国による働きかけによって休止期間がさらに延長されるのかが焦点です。

「人質の1人は仏国籍の女性」仏外務省

フランス外務省はイスラエル軍が30日に発表した、解放されたイスラエル人の人質2人のうちの1人について、イスラム組織ハマスがことし10月16日に公開した映像に映っていた、フランス国籍を持つ女性のミア・シェムさんだと発表しました。

この中では「とても安どしている。ハマスによって公開されたビデオに映し出された彼女の無残な姿が象徴するように、54日間もの人質生活のあとに自由を取り戻すことができた」としています。

その上で、「エジプトやカタールなどの仲介に感謝したい」として、残る4人のフランス人の人質の解放に全力を挙げると強調しています。

また、マクロン大統領も旧ツイッターのXで、「シェムさんは解放された。彼女の家族や、すべてのフランス国民とともに喜びを分かち合いたい」と表明しました。

フランスのAFP通信は解放の知らせを受けて喜ぶ母親の姿を、家族が撮影したとする映像のほか、イスラエル国内の空軍基地でシェムさんが家族との再会を果たした際の映像を配信しています。

シェムさんをめぐっては、先月(11月)9日に母親と兄がパリでNHKなどの取材に応じ、早期の解放を訴えていました。