連合と経済同友会幹部が会談 持続的な賃上げ取り組みで一致

労働組合の中央組織、連合と経済同友会の幹部が会談し、経済の好循環を実現するため実質賃金の向上が重要だとして、物価の上昇を上回る持続的な賃上げに取り組んでいく考えで一致しました。

会談は、28日午前に都内のホテルで行われ、連合の芳野会長や経済同友会の新浪代表幹事らが出席しました。

この中で、芳野氏は「ことしの春闘では30年ぶりの高水準となる賃上げが実現したが、物価高に追いつかず実質賃金はマイナスが続いている。来年の春闘では、ことしを超える賃上げを実現するため、労務費を含め価格転嫁を行うことが必須だ」と述べました。

これに対し、新浪氏は「実質賃金の向上は非常に重要で、これ以上、社会保険料を上げずに可処分所得を恒常的に上げていかなければならない」と応じました。

そして経済の好循環を実現するため、物価上昇を上回る持続的な賃上げに取り組んでいく考えで一致しました。

一方、新浪氏が賃上げに向けてリスキリングや転職しやすい環境の整備が不可欠だと指摘したのに対し、芳野氏は個人でできるリスキリングには限界があり、長期雇用に基づく人材育成が重要だとして慎重な姿勢を示しました。