参院予算委 “減税 給付で過度な事務負担ないよう努める”首相

国会は参議院予算委員会で経済対策の裏付けとなる補正予算案の審議が行われ、岸田総理大臣は減税や給付の実施に伴い、自治体や企業に過度な事務負担が生じないように努める考えを示しました。

午前の審議では公明党と日本維新の会が質問に立ちました。

▽公明党の上田政務調査会長代理は所得税などの定額減税をめぐり「可処分所得を直接増やすには減税と給付という2つの方法がある。さまざまな要素を考慮した上で減税を決断したと考えるが、改めてその意義を示してほしい」と求めました。

これに対し岸田総理大臣は「物価上昇を上回る賃上げに向けて官の決意と覚悟を示し、官民連携で可処分所得の増加につなげ、国民にも賃上げとの相乗効果を実感してもらう。民間に賃上げをお願いする中で効果的な組み合わせを念頭に置き、官と民間との協力の姿勢として定額減税が必要だと判断した」と述べました。

▽公明党の山本政務調査会長代理は経済対策による減税や給付をめぐり「自治体の事務負担がかなり大きく、事業主もシステムの改修などの負担が懸念されている。制度設計では可能なかぎり、事務負担の軽減や手続きの簡素化を図ってほしい」と求めました。

これに対し岸田総理大臣は「自治体や企業の事務負担に対する配慮は重要だ。過度な事務負担が生じないよう、できるかぎり早期に必要な情報提供をし、実質的な負担を軽減していく配慮を最大限行っていきたい」と述べました。

▽日本維新の会の清水貴之氏は少子化対策のための財源の確保について「公平な負担というが、低所得者や高齢者の負担軽減策を作るという話もある。子育て世代に負担が集中し、受けるサービスよりも負担が大きくなったら本末転倒ではないか」と問いました。

これに対し岸田総理大臣は「若い世代の負担が増えるのではないかという指摘はあたらない。賃上げと歳出改革で国民負担率を下げた上で児童手当の拡充や高等教育の負担軽減など受益を拡充する取り組みであり現役世代にも改革は評価してもらえると考えている」と述べました。

また鈴木財務大臣は、所得税などの定額減税による社会保険料への影響を問われ「保険料が賦課される標準報酬や所得金額は減税によって変動するものではなく、社会保険料には影響しない」と述べました。

一方、住宅ローン減税などへの影響については「定額減税の具体的な仕組みは与党の税制調査会で検討されるが、定額減税がデフレ脱却を確実なものとするための一時的な措置として国民の負担を緩和するものだという趣旨を踏まえ、議論されると考えている」と述べました。

またイスラエル・パレスチナ情勢をめぐり、上川外務大臣は「戦闘休止の2日間の延長を歓迎する。今後の情勢の推移は予断を許さないが、人道状況の改善と、それに資するさらに長期にわたる人道的休止の維持と、事態の早期沈静化に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けていく」と述べました。