“ガザ地区の戦闘休止 2日間延長で合意” カタール政府

イスラエルとイスラム組織ハマスとの仲介を担っているカタール政府は27日、パレスチナのガザ地区での戦闘休止を2日間延長することで合意したと発表しました。戦闘の休止は少なくとも29日まで延長されることになり、人質のさらなる解放やガザ地区の人道状況の改善につながるかが焦点となります。

カタール外務省の報道官は、27日、SNSでガザ地区での戦闘休止を2日間延長することで合意したと発表しました。

イスラエルとガザ地区を実効支配するハマスは今月24日から4日間、戦闘を休止し、ハマスが人質を段階的に解放する一方、イスラエル側も刑務所に収容しているパレスチナ人を釈放することで合意していました。

その4日目となる27日、ハマスがイスラエル人11人を新たに解放し、イスラエル側は収容していたパレスチナ人33人を釈放しました。

この4日間でハマスが解放した人質は外国籍を合わせて69人、イスラエルが釈放したパレスチナ人は150人となりました。

戦闘の休止期間を2日間延長することで合意したことについて、アメリカのバイデン大統領は声明を発表し「われわれはハマスが拘束している人質が全員解放されるまで立ち止まらない」と強調した上で、戦闘休止の期間を最大限活用し、ガザ地区への人道支援の増加に取り組む考えを示しました。

また、アメリカ国務省の高官は27日、ブリンケン国務長官が今週、イスラエルやパレスチナのヨルダン川西岸など中東を再び訪問し、さらなる人質の解放とガザ地区の人道支援に向けた協議を行うことを明らかにしました。

また、今回の合意についてイスラム組織ハマスの幹部は地元メディアなどに対して「人質にしているイスラエル人の兵士について解放交渉をする用意があるがまだ始まってはいない」と述べ、イスラエル側とさらなる交渉の用意があるという姿勢を示しています。

新たな合意が守られれば、戦闘の休止は少なくとも29日まで延長されることになり、ガザ地区の人道状況の改善がどこまで進むかとともに、さらなる人質の解放に向けた交渉が進むのかどうかが焦点となります。

松野官房長官「戦闘休止の延長を歓迎」

松野官房長官は午後の記者会見で「ガザ地区では、これまで連日、多数の子ども、女性、高齢者を含む死傷者が出ている。危機的な人道状況を深刻な懸念を持って注視しており、戦闘休止が2日間延長されることを歓迎する」と述べました。

その上で「人道状況の改善に資するさらに長期にわたる人道的休止の維持や、事態の早期沈静化に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けていく」と述べました。