霧島の横綱昇進“来場所 堂々たる優勝で前向きに” 横審委員長

大相撲の横綱審議委員会が開かれ、九州場所で2回目の優勝を果たした大関 霧島について、山内昌之委員長は横綱昇進がかかる来場所に向け「堂々たる優勝、立派な勝ち方をすれば前向きに受け止める」と期待を示しました。

横綱審議委員会は27日夕方、東京 両国の国技館で開かれ、会合のあと、山内委員長が記者会見しました。

この中で、九州場所で大関昇進後は初めてとなる2回目の優勝を果たした霧島について「13勝2敗という誠に立派で堂々たる優勝だった」と高く評価しました。

横綱審議委員会は、横綱に推薦する条件として「大関で2場所連続の優勝」を原則とし、「これに準ずる成績をあげた力士を推薦する場合は、出席した委員の3分の2以上の決議が必要」と内規で定めています。

来年1月の初場所に向けて山内委員長は「堂々たる優勝、立派な勝ち方をして、昇進の議論を預かる審判部が横綱昇進を考えるならば、前向きに考える」と期待を示しました。

そのうえで「横綱 照ノ富士が戻ってきている状態とそうでない状態では違いがあるので、何勝何敗であればという議論はしていない。横綱が戻ってきてどういう成績と相撲で場所を終えるかを見たい」と話しました。

一方、ことし1年の6場所で15日間の出場が1場所にとどまった照ノ富士については「来年の初場所はぜひ、姿を見せてほしいということが委員の一致した見方として出された」と述べました。

これまで横綱審議委員会は「回復の推移を見守る」としてきましたが、山内委員長は「初場所でもし休場となれば大変残念で、横綱審議委員会としてはその時点で改めてコメントなどを出す」と話しました。

大関 豊昇龍の立ち合いに委員から苦言

横綱審議委員会では、九州場所の5日目に大関 豊昇龍が立ち合いで、対戦した平幕の豪ノ山が片手をついたあとに、およそ1分20秒にわたって手を下ろそうとせず、呼吸を合わせなかったことについて、委員から苦言が呈されました。

山内委員長は記者会見で「将来、横綱への昇進が期待される力士に、はっきり言って見苦しい、常識を欠いた立ち合いが見られたのは誠に残念なことだ」と指摘しました。

そして「相撲協会幹部や部屋の親方からの指導が期待されるという声が強くあがったことは付け加えておく」と述べました。

そのうえで「稽古熱心であるし、後輩の力士にアドバイスしたりマナーを指導したりするのも見ている。それだけにこれからの相撲界を担うホープとして、豊昇龍にはそういう点についても精進を重ねてほしい」と話していました。