北朝鮮 “合法的な防衛権行使” 安保理前に衛星打ち上げ正当化

北朝鮮による軍事偵察衛星の打ち上げを受けて国連安保理の緊急会合が開催されるのを前に、北朝鮮外務省は談話を発表し、偵察衛星の打ち上げは、アメリカなどの軍事動向を把握するための「合法的な防衛権の行使だ」として正当化しました。

北朝鮮が今月21日に軍事偵察衛星を打ち上げたことを受けて、国連の安全保障理事会では、27日、日本やアメリカなどの要請により緊急会合が開催されます。

これを前に、北朝鮮外務省は27日、国営の朝鮮中央通信を通じて国際機構担当の次官の名義で談話を発表しました。

この中では、アメリカが原子力空母などを繰り返し朝鮮半島に展開したことを挙げ、「偵察衛星の打ち上げはアメリカとその追従勢力の軍事動向を正確に把握するための、合法的な防衛権の行使だ」として正当化しました。

そのうえで「わが国は、アメリカと西側の不法な内政干渉が絶対に通じないことを明確にするため、衛星の打ち上げを含めた主権的権利を堂々と行使していく」と強調しました。

北朝鮮は早期に複数の偵察衛星を打ち上げる方針で、安保理決議の違反となる打ち上げを、今後も強行していく姿勢を改めて鮮明にしています。

松野官房長官 “安保理の場でも各国に呼びかけていく”

松野官房長官は、午後の記者会見で「北朝鮮が前例のない頻度と新たな態様で弾道ミサイルなどの発射を繰り返していることは、わが国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域や国際社会全体の平和と安全を脅かすもので、断じて容認できない」と述べました。

そのうえで、緊急会合が開催される国連安保理の現状について「一部の国々の消極的な姿勢により、北朝鮮のたび重なる安保理決議違反に対して行動できていないことは大変遺憾だ。わが国としては引き続き、アメリカや韓国などと緊密に連携しつつ、北朝鮮に決議の順守を求めるとともに、安保理の場でも各国に呼びかけていく」と述べました。