閉店のデパート 店舗内の備品を市民に無料で提供 北海道 帯広

ことし1月に閉店した北海道帯広市のデパート「藤丸」が再来年以降の再建を目指して改修工事を始めるのを前に、店舗内に残されていた備品が26日、市民に無料で提供されました。

ことし1月に閉店した藤丸は新会社が再来年秋以降の再建を目指していて、今後、店舗の改修工事を始める予定です。

これを前に、店舗内に残されていた備品を一般の人に無料で提供することになり、26日は朝早くから多くの人が列を作りました。

中には夜明け前から並んでいたという人もいて、用意された550枚の整理券は午前9時に配付が始まってすぐになくなりました。

そして、新会社の村松一樹社長が「藤丸の火を消さない、この館を決して廃虚にしない、街を活性化させるという思いを1つに、皆さんと進んでいきたい」とあいさつしました。

このあと、訪れた人たちは閉店からおよそ10か月ぶりに店舗の中に入り、食器や椅子、それに藤丸のロゴが入ったのれんなどを次々に手に取っていました。

クリスマスツリーなどをもらったという音更町の30代の女性は「家に飾って、『藤丸というデパートにあったものだよ』と子どもに伝えたいです」と話していました。

また、午前1時から並んだという中札内村の40代の男性は、自身で開く予定の雑貨店に置く陳列棚などを選び、「藤丸の思いを引き継いで、自分の店にも活用したいです」と話していました。