北朝鮮“在韓米軍基地周辺を偵察衛星で撮影”も写真公開されず

北朝鮮は、11月21日に打ち上げた軍事偵察衛星の管制所を24日と25日にキム・ジョンウン(金正恩)総書記が視察し、アメリカ軍の基地がある韓国の複数の地域などを衛星で撮影したとする写真を確認したと発表しました。ただ、これまでに写真はいっさい公開されていません。

北朝鮮の国営テレビは、キム・ジョンウン総書記が24日に国家航空宇宙技術総局のピョンヤン総合管制所を視察し、軍事偵察衛星の運用に向けた準備の状況を確認したと25日に伝えました。

偵察衛星は24日午前10時すぎに朝鮮半島の上空を通過し、韓国の首都ソウルのほか、在韓アメリカ軍の基地がある中部ピョンテク(平沢)や、ソウル近郊のオサン(烏山)などを「重要標的地域」だとして撮影したとしていて、キム総書記がそれらの写真を確認したということです。

さらに、国営の朝鮮中央通信によりますと、キム総書記は25日もこの管制所を訪れ、午前中に偵察衛星がとらえたハワイにあるアメリカ軍の基地や、韓国南東部のプサン(釜山)に停泊しているアメリカ軍の原子力空母「カール・ビンソン」などの写真を確認したということです。

北朝鮮は、打ち上げ翌日にあたる11月22日にもグアムの上空からアメリカ軍のアンダーセン空軍基地などを衛星で撮影したとしています。

ただ、これまでに衛星で撮影したとする写真はいっさい公開されていません。

北朝鮮は12月1日から偵察衛星の運用を正式に開始すると主張していますが、韓国の情報機関は「北が撮影したものを公開しないかぎり、性能を把握できる状況にならない」としています。