【解説動画】イスラエル ハマス 人質解放で合意に至った経緯は

イスラエルの複数のメディアは24日、イスラム組織ハマスがガザ地区で拘束していた人質のうち、イスラエル人13人が解放されたと伝えました。これに先立ち、タイ政府はタイ人12人も解放されたと発表しています。ハマスとイスラエルの間で4日間の戦闘休止が始まってから人質が解放されるのは初めてです。

人質の解放に至った経緯は、そして、合意に動き出したことで衝突の収束につながるのか、国際部の鴨志田デスクの解説です。

(動画:2分42秒)
※データ放送ではご覧になれません。

人質解放に至った経緯は?

カタールやエジプトなどの仲介で成立した合意は、
▽ハマス側が捕えていた230人余りいるとみられる人質のうち、子どもや女性50人を解放する代わりに、
▽イスラエルが4日間戦闘を休止し、さらにイスラエルの刑務所に収容されているパレスチナの子どもや女性150人を釈放するというものです。

すでに戦闘の休止は、現地時間の24日午前7時、日本時間の24日午後2時から始まり、今のところガザ地区で戦闘が起きたという情報はありません。

人質の解放はそれに続くもので、仲介にあたってきたカタールの外務省の報道官は、24人の人質が赤十字に引き渡されたことを確認したと、SNSに投稿しました。
解放された人質は、
▽13人がイスラエル人、
▽10人がタイ人、
▽1人がフィリピン人だということです。

ハマスは戦闘の休止が続くことを前提にこの先も一定数の人質を解放していくとしていて、25日以降も解放が続くかが注目されます。

ガザ地区の衝突の収束につながるのか?

イスラエルとハマスが初めて折り合ったのは一歩前進とは言えます。
ただイスラエル軍がガザ地区に展開している中で、果たして4日間にわたって戦闘が止まるのか予断を許しません。

また、ハマスも幹部の潜伏先や人質の所在地をイスラエル軍に突き止められるのを警戒していて、少しでもリスクがあれば解放の動きを止める可能性もあります。

また、4日間のわたり合意が履行されたとしても、イスラエルのガラント国防相は、戦闘休止の期間が終われば、再びハマス壊滅に向けた軍事作戦を継続するとしていて、ハマス側も徹底抗戦の構えを見せています。

ガザ地区ではすでに50日に及ぶ衝突で1万3000人が死亡し、避難している人々も水や食料も十分に得られない深刻な人道状況にあり、戦闘が再開されればさらに悲惨な状況が続くことになります。

国際社会はこの先4日間、合意が破綻しないように双方に全力で働きかけるとともに、戦闘休止を少しでも延長し、長期の停戦と人質のさらなる解放につながることができるのか、問われていくことになります。