フィンランド ロシア国境の検問所 1か所を除きすべて閉鎖

フィンランド政府は24日、隣国のロシアが中東などからの難民申請者を意図的に越境させて混乱を生じさせようとしているとして国境にあるほとんどの検問所を閉鎖しました。ロシア側は関与を否定しています。

フィンランド政府は24日、ロシアとの国境にある検問所を1か所を除いてすべて閉鎖しました。

理由として、ロシア経由でフィンランドへの入国を目指す中東やアフリカからの難民申請者の急増を挙げています。

ことし8月からフィンランドの検問所に到着した人が急増し今週だけでおよそ240人にのぼるとしています。

フィンランドは、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて軍事的中立の方針を転換し、ことし4月にNATO=北大西洋条約機構に加盟したほかアメリカとは防衛協力協定の交渉を進めています。

フィンランド政府は、こうしたことを背景にロシアが意図的に多くの人を越境させて混乱を生じさせようとしていると非難し、オルポ首相は「人々は検問所まで移送されている」と述べ、ロシアの関与を指摘しています。

おととしは、ポーランドの国境付近に難民申請する多くの人が集まりロシアの同盟国ベラルーシの関与が疑われ、イギリスのメディアは「今回も同様の問題が起きている」と伝えています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ロシアの関与を否定した上で「良好な関係を築いてきたフィンランドがロシア恐怖症のような立場に変わったことは残念だ」と述べました。