戦闘休止と人質解放 決定遅れた背景 合意は守られるか【解説】

イスラエルとイスラム組織ハマスは日本時間の24日午後2時から4日間、戦闘を休止することになったと、仲介役のカタール政府が発表しました。その後、ハマスが拘束している人質13人が解放される予定ですが、合意が確実に守られるかが焦点です。

エルサレム支局長の田村佑輔記者が解説します。

Q. ようやく決まった戦闘休止と人質解放 遅れた背景は?

こちらでは23日から始まるという見方が広がっていたので、ガザ地区の住民や人質の家族からは遅れを心配する声もあがっていました。

遅れた理由としては
▽ハマス側が解放する人質のリストを出すのが遅れたとか
▽どのような手順で人質を引き渡すのかなどの点で協議が続いていたなどと伝えられています。

ハマス側としては、人質の居場所などイスラエル側に知られたくないだけに、細かい部分の調整が最後まで難航していたと見られます。

Q. 予定通りに戦闘の休止や人質の解放が行われるのか?

実際に始まるまでは楽観できません。というのも、イスラエルとハマスの衝突では過去にも停戦したあとに合意が破られたことがあるからです。

ハマス側は戦闘休止の内容について、ドローンを飛ばさない時間を設けることなど細かい条件をつけていて、合意が守られるか慎重に見届ける必要がありそうです。

また、戦闘休止の期間中、ガザ地区にはこれまで以上のペースで人道支援物資が運び込まれることが期待されています。

イスラエル側は追加で人質が解放されれば、戦闘休止の期間を延長するとしていますが、その後はハマスへの攻撃を再開し、さらに強化する構えさえ見せています。

この限られた期間の間に、ガザ地区の住民が置かれた人道危機をどこまで改善できるかも大きな課題となっています。