イスラエルとハマス“戦闘休止の開始時刻”いまだ発表されず

イスラエルとイスラム組織ハマスの合意で、ガザ地区で拘束されている50人の人質の解放と引き換えになっている4日間の戦闘の休止について仲介役のカタール政府は日本時間の22日午後、24時間以内に戦闘休止の開始時刻が発表されるとしていましたが、すでにその時間を過ぎていて、合意が着実に履行されるのか、予断を許さない状況となっています。

カタールなどが仲介したイスラエルとハマスの合意では4日間の戦闘の休止と引き換えにハマスがガザ地区で拘束している50人の子どもや女性の人質を解放するなどとなっています。

カタール政府は22日、日本時間の22日午後0時半ごろ合意の声明を出した際、戦闘休止の開始時刻が24時間以内に発表されるとしていましたが、これまでのところ正式な発表は出ていません。

こうした中、イスラエルのハネグビ国家安全保障顧問は22日深夜、人質の解放については現地時間の金曜日、24日になるまで行われないと明らかにしました。

イスラエルの有力メディア、ハーレツは23日、政界関係者の話として
▽ハマスが解放する人質のリストを送っていないことや
▽ハマスが戦闘の休止を正式に承認していないことが理由で
合意の履行に遅れが生じているとの見方を伝えています。

一方、ガザ地区では戦闘が続いていて、イスラエル軍は23日、北部のジャバリア難民キャンプで攻撃を続けているとしたほか、北部にあるモスクの地下でもハマスの地下トンネルを発見したなどと主張しました。

イスラエル軍は22日、ガザ地区最大のシファ病院付近の地下で発見したとするトンネル内で、報道官が歩き回りながら構造や設備について解説する映像を公開していて、病院への軍事作戦の正当性を改めて強調しています。

イスラエル軍としては、戦闘の休止が始まる前に作戦の成果を強調するねらいもあるとみられ、人質の解放も含めた合意が着実に履行されるのか、予断を許さない状況となっています。